【中西清起】阪神は抑えの形を「ゲラ→岩崎」で固めたか 才木浩人は“横”でも勝負できるように

AI要約

阪神は5月戦線を五分に持ち込んだ。8回はゲラ、最終回は浜地が締めた。

才木が先制点を与えたが、逆転リードをもらい安定した投球を見せた。

中西がスライダーを活かし、ピッチングの幅を広げた。阪神は交流戦に向けて良い流れをキープしたい。

【中西清起】阪神は抑えの形を「ゲラ→岩崎」で固めたか 才木浩人は“横”でも勝負できるように

<阪神7-2ヤクルト>◇19日◇甲子園

 阪神は“5月戦線”を7勝7敗1分けの五分に持ち込んだ。8回はゲラ、点差が開いた最終回は、岩崎ではなく浜地が締めた。

 中西 開幕からずっと見てきたが、おそらくチームとして抑えの形は「ゲラ→岩崎」の順番でいくことを固めたのではないだろうか。今まで岩崎からゲラの起用もあったが、準備をするにしても、それぞれのポジションを決めてあげる方が良い。岩崎は8回より9回を任せた方が安定しているという考えだろう。ここからは「ゲラ→岩崎」の逃げ切り態勢を固定して戦うと見ている。

 雨中の先発になった才木だが、1回に2点を献上した。今季登板した8試合目のうち先取点を与えたのは3試合目。だが打線がビハインドをひっくり返し、逆に2点リードをもらった。

 中西 立ち上がりは下がぬかるんでいたこともあって丁寧に入りすぎた。後は7、8割ぐらいの力で、余力を残しながら投げることができた。チーム内では今もっとも安定感があるピッチャーだ。

 5回は2死から長岡、村上に連続四球も、5番サンタナを3-2からの6球目、外角スライダーで見逃し三振に仕留めた。昨季5勝目は6月11日対日本ハム戦(エスコンフィールド)だから、単純に約3週間早いペースといえる。

 中西 今までの才木は真っすぐ、フォークを主体に高低を使った“縦”の投球イメージだったが、今年はスライダーを覚えたことで内外に投げ分ける“横”でも勝負できるようになった。ピッチングの幅が広がったわけで、そのスライダーがいいところで決まった。

 阪神は今週の広島、巨人6連戦後、来週28日から交流戦を迎える。

 中西 打てない、打てないといっても、139得点はリーグ2位で、防御率2・24はトップ。ただエラーが失点に絡むケースが目立っている。いい流れをキープして交流戦に臨みたいものだ。(日刊スポーツ評論家)【取材・構成=寺尾博和】