「寺本デー!」慶応1年の寺本光希がシード日大藤沢に3安打1失点完投「うれしい誤算」森林監督

AI要約

慶応が若手投手の好投で強豪校を破り、3年連続で8強入りを果たした。

寺本投手は先発し、力強いピッチングで3安打1失点の完投勝利を飾り、チームを勝利に導いた。

小宅雅己投手をお手本にした寺本は、マウンドでの表情や舞台に臨む姿勢を意識し、自然な笑顔も“小宅流”に取り入れた。

「寺本デー!」慶応1年の寺本光希がシード日大藤沢に3安打1失点完投「うれしい誤算」森林監督

<高校野球秋季神奈川大会:慶応5-1日大藤沢>◇21日◇4回戦◇サーティーフォー相模原

 慶応が先発の1年生投手、寺本光希投手の好投でシード校の日大藤沢を破り、3年連続で8強入りを決めた。

 「今日は“寺本デー”です」。試合後、森林貴彦監督(51)は開口一番、笑顔で話した。3回戦を突破し、次戦の相手が強豪・日大藤沢に決まると、何度も熟考を重ね「ストレートも変化球もストライクが取れる。マウンド度胸もある」と、先発に寺本を抜てきした。

 寺本は指揮官の期待に応え、「縦回転の伸びるボールで空振りをとる」と、キレのいい真っすぐと、得意のチェンジアップを制球よく投げ込み、3安打1失点の完投勝利。6回に入る前、足がつるアクシデントも「チームに勢いをつける」と、自分を奮い立たせた。6、7、8回と走者を許すも、いずれも真っすぐで併殺打に打ち取り、ピンチをしのいだ。「今日は投げていて楽しかったです」と、堂々と投げきった。森林監督も「まさかの完投。うれしい誤算です。全く考えてなかったんで。よく頑張ってくれました」と、興奮を隠しきれなかった。

 マウンド度胸の良さは“小宅流”だ。昨夏、甲子園の優勝投手に輝いた小宅雅己投手(3年)をお手本にした。まだ中学生だった寺本は、動画で何度も繰り返し小宅の投球をチェック。「憧れているんです。小宅さんはマウンドでいつも余裕がある。集中するときは集中。オンオフの切り替えをまねしたい」。マウンドでの表情を大切に。自然に出る笑顔も“小宅流”。ここぞの舞台に備えた。

 新戦力がチームを支える。3回戦も1年生の大村哲誠投手が先発し、今日は寺本が勝利に導いた。森林監督は「(3回戦の)横浜創学館戦も、負けてもおかしくなかった(4-3で勝利)。うちは幸運な挑戦者なんだから思いっきりやるしかない。そういう立ち位置で臨みました」。1戦ごとに強さを増し、突き進む。