【日本ハム】新庄監督大好き“ヒリヒリゲーム”制す “トライアウト”経て育ったチルドレン躍動

AI要約

日本ハム新庄剛志監督が就任3年目で初めてのシーズン勝ち越しを決め、球団にも6年ぶりの快挙をもたらした。

2人の新庄チルドレン、万波と水野が躍動し、勝負所で活躍。育成と補強の成果が見事に発揮された。

新庄監督の指導の下で成長した若手選手たちは、チームの勝利に大きく貢献し、首位快走中のライバルを苦しめた。

【日本ハム】新庄監督大好き“ヒリヒリゲーム”制す “トライアウト”経て育ったチルドレン躍動

<ソフトバンク2-3日本ハム>◇17日◇みずほペイペイドーム

 日本ハム新庄剛志監督(52)が首位ソフトバンクに逆転勝ちし、就任3年目で初、球団にとっても6年ぶりのシーズン勝ち越しを決めた。1点を追う6回に万波が同点適時二塁打、水野が決勝適時打を放った。開幕前からレギュラーと位置付けた2人の新庄チルドレンが躍動し、先発したFA左腕の山崎も移籍1年目で10勝目に到達。育成と補強で着々と積み上げたチーム力を大一番で発揮し、連敗なら目の前で胴上げされる屈辱も回避して今季4位以上が確定した。

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 新庄監督が大好きな“ヒリヒリゲーム”だった。「最後、マジ『緊張つよし』。(田中)正義君…(笑い)」。1点リードの9回2死から二塁打を浴びた守護神だが、リードを守りきった。その瞬間、チーム6年ぶり、就任3年目で初めてのシーズン勝ち越しが決定。「もう、そういう問題じゃない。とにかくクライマックス(シリーズ進出)が決まるまでは気を抜かずに」と表情を引き締めた。

 育て上げてきた「新庄チルドレン」が躍動した。1点を追う6回1死一塁。同点適時二塁打を放ったのは万波だ。「何とか強い打球で長打を打ちたいと思っていた。ホームランが理想ですけど、まあ十分いいバッティングだった」と左中間を破る強烈な打球で試合を振り出しに戻すと、続いたのが水野だ。「落ち球をうまく捉えることができた」と決勝の中前適時打で難敵スチュワートを攻略した。

 新庄監督が開幕前にレギュラーと認めた2人だ。2月の春季キャンプが始まる前日に、昨季25本塁打を放った万波のレギュラーを明言。キャンプ2軍スタートだった水野も攻守でのアピールを受けて3月上旬に本人へ「今のレギュラーは万波君と水野君だよ」と耳打ちした。就任1年目からの“トライアウト”を経て台頭してきた若手が、しっかりと勝負どころで力を発揮できる選手に成長した。

 新庄監督も最近不調だった万波には「自分なりに考えて、ボール球も振らなくなった」と評価し、水野には「ああいう時に打つんかーいっていう選手。そういう選手が外せない」とたたえた。連敗ならソフトバンクの優勝が決まる2連戦で、目の前の胴上げは阻止。「選手たちにそれを見せるのもいいことかなと思っていましたけど…チクショウ、見られなかった(笑い)」と話すも、これでソフトバンク戦は5連勝。首位快走中のライバルも苦手意識は「あるでしょうね」。3年間の成長を実感する今季68勝目だ。【木下大輔】