【バーレーンに大勝の森保ジャパン。独走へ、最大の武器・ウイングバックが見せるもの(1)】左の三笘薫が連戦OKのタフさをアピール。圧倒的エースの存在に中村敬斗、前田大然はどう絡む

AI要約

日本代表が過酷な状況下でバーレーン戦に勝利した様子。

三笘薫の復調や伊東純也の攻撃力が光った試合内容。

挑戦的な状況を冷静に受け止め、勝利に結びつけたチームの姿勢。

【バーレーンに大勝の森保ジャパン。独走へ、最大の武器・ウイングバックが見せるもの(1)】左の三笘薫が連戦OKのタフさをアピール。圧倒的エースの存在に中村敬斗、前田大然はどう絡む

 初出場した98年フランスW杯以降、日本代表は過去に6度のW杯アジア最終予選を戦っているが、最初に2連勝したのは2014年ブラジルW杯の時だけ。その時はオマーン、ヨルダンとホームで戦ったが、2026年北中米W杯を目指す今回はホーム・中国戦の後に灼熱の地・バーレーンへ乗り込んでの2連戦だ。

 9月10日・夜19時時点の現地の気温は35度超え。湿度も高く、秋めいた環境で戦っている欧州組にとってはまさに過酷。それに加えて劣悪なピッチ、レーザーポインター攻撃を含めたアウェーの異様な雰囲気など、難しい状況なのは間違いなかった。

 特に三笘薫(ブライトン)が陣取る左ウイングバック(WB)のところはターンオーバーが有力視された。ご存じの通り、彼は第2次森保ジャパンではケガを繰り返し、昨年9月のドイツ戦(ヴォルフスブルク)以降の代表は長期欠場。1~2月のアジアカップ(カタール)ではバーレーン・イラン戦にジョーカーとして後半途中から出たものの、そこから、腰を痛めてクラブでシーズンを棒に振り、代表の6月シリーズも不参加だった。

 その悪循環を払拭すべく、本人もフィジカル面を強化。今季はプレミアリーグ開幕からスタートダッシュを切っている。そして中国戦でも1ゴール1アシストと大活躍を見せ、復調を強烈にアピールした。

「いつもスタメンでできる準備はしてますけど、監督が決めることなので。日本代表とブライトンで求められることも強度も違いますし、移動が入ってきていろんな調整も入ってくるので、毎回アジャストしないといけない。ただ、そこに対する余裕っていうのは昔よりもあるかなと思います」と本人も自信を見せていたが、前田大然(セルティック)と中村敬斗(スタッド・ランス)も好調を持続していたことから、三笘はベンチスタートになるという見方もあった。

 しかしながら、ふたを開けてみると、中国戦からの変更は久保建英(レアル・ソシエダ)から鎌田大地(クリスタルパレス)へというものだけ。三笘は今回も頭から左の切り札と位置づけられた。ただ、相手も彼のところは2枚がかりでマーク。スペースを消してきたこともあって、前半はドリブルで局面打開できるシーンは少なかった。それでも、彼は大外に位置し、左シャドウの鎌田がポケットを取る動きを繰り返し、揺さぶりをかけていった。

「意外と(相手が)引かずに来ていたところもあったので、リスクをあまりかけずに前線に蹴ろうと全員で言っていた。そこからセカンドボールの回収を意識しました。(前半36分の上田綺世=フェイエノールトの)1点目はラッキーでしたけど、我慢強く戦ったことで僕らに流れが来たかなと思います」と本人もムリに仕掛けに行かずに冷静に戦況を見定めていたことを明かす。

 そして後半。右の伊東純也(スタッド・ランス)が登場し、攻撃のギアが一気に上がるのを背番号7は見逃さなかった。開始早々に自らがボールを奪取。鎌田につなぎ、スルーパスが伊東に通って、最終的に上田が豪快な反転シュートで2点目を挙げたのだ。

「自分はWBですけど、サイドではなくて、ペナルティエリアの幅くらい中のところから走ることで、相手も嫌だと思いますし、そこで失っても、すぐに切り替えれば、よりゴールに近い形を作れる。それはブライトンでもやっていることなんで」と背番号7はクラブで積み重ねていることを代表に還元してみせた。