今永昇太が7回3失点で13勝目をマーク「自分の知らない力が出たんじゃないかな」/一問一答

AI要約

カブスの今永昇太投手が、ドジャース大谷翔平投手を抑えて13勝目を挙げた。大谷は3打席ノーヒットに封じられたものの、カブスが6-3で勝利した。

今永は大谷について素晴らしいスイングを持つ選手と評価し、自身のピッチングを振り返った。初回には恐怖心を感じながらも、7回で89球を投げ抜き、4奪三振無四球のピッチングを見せた。

今永は山本由伸との対戦や緊張感についても語り、7回のピンチを切り抜けるなどメンタル面でも成長を感じたと語った。

今永昇太が7回3失点で13勝目をマーク「自分の知らない力が出たんじゃないかな」/一問一答

<ドジャース3-6カブス>◇10日(日本時間11日)◇ドジャースタジアム

 カブス今永昇太投手(31)が、7回7安打3失点で13勝目をマークした。メジャー2度目の対決となったドジャース大谷翔平投手(30)を遊飛、一ゴロ併殺打、右飛と3打席ノーヒットに封じた。ソロ本塁打を3本浴びたが、大崩れすることなく7回を89球、4奪三振無四球のピッチングだった。

 【試合後の今永の囲み取材での一問一答は以下の通り】

 -大谷にダメージを与えたいと言っていたが

 打球速度もすごいハードヒットでしたし、本当に一つ間違えたらホームランになってもおかしくないフライ(第3打席の右飛)だったので。改めて素晴らしいスイングの持ち主だと思います。

 -今日の味方の守備は

 やはり今日は(中堅手の)ピート(クルーアームストロング)の守備にチーム全体も救われましたし。もちろんピート以外にも、今日のこの調子の中でうまく配球してくれた(捕手の)アマヤも。そして全てのフィールドの選手たちが今日勝たせてくれました。

 -7回にピートがスライディングキャッチした時の心境は

 本当にフライが上がった瞬間はもう1点を覚悟したんですけども。でもフライが落ちてくると同時に、ピートならやってくれるんじゃないかっていう。そういう期待を持ってたので、捕ってくれてすごくうれしかったです。

 -メジャー初の山本由伸との投げ合いは

 初回のピッチングを見て、改めてとんでもない投手だなという、素晴らしい投手だなという風に思いましたし。今日の自分のピッチングは少なからず彼の素晴らしい投球に引っ張られたと思うので。彼にもリスペクトの気持ちを送る必要があると思います。

 -大谷と山本とは過去にも対戦して日本代表でもプレーしたことがある。今日はどんな1日だったか

 これは日本代表の時に(パドレスの)ダルビッシュ有さんに言われたことがあるんですけど。素晴らしい選手と野球をやってると、自分の中のリミットが外れて、自分の知らない力が出る瞬間があるっていう風に言われたことがあって。まさに今日、もう本当に山本投手、大谷選手、ドジャースの打線を抑えるために、チームが勝つために、自分の知らない力が出たんじゃないかなと思います。

 -今日はどんな調子だったか

 今日はですね、マウンドに上がるまでちょっと恐怖心があって。足もすごいガタガタ震えてましたし、ボールを持った手もすごく震えてましたし。すごい恐怖心と戦ってるなっていう気持ちでマウンドに上がりました。

 -それはどこから来たのか

 何でなんですかね。ちょっとわからないんですけど。自分なりのプレッシャーだったりとか、周りの期待に応えなければいけないとかいうので、自分の中でちょっと自分を追い込みすぎてたなっていう風に感じてます。

 -結果的に7回に投げたことが素晴らしかった

 やはり先発ピッチャーはイニングを投げなければダメな立場にいると思いますので。今日は6回3失点ではなくて、7回3失点。最後7回にマウンドに上がったっていうことが一番大きな要因だと思うので。またそれを抑えたっていうのが、次の登板の自信にできたかなと思いますね。

 -大谷を抑えたことが勝ちにつながった

 やはり彼は本当に球場の雰囲気を変えられる力があるので。たった1打席で変えられる力があるので。とにかく今日は、そういう雰囲気を変えさせない打席で助かったなとは思います。

 -3回無死一、二塁で大谷を一ゴロ併殺に抑えた場面を振り返って

 メンタル的なものとしては、技術的なこととしては、ホームランだけは避けなければいけない。ランナーを置いてホームランっていうのは避けなければいけないので。遠く低くっていうボールから入っていって。で、その後の2球ってのが、ちょっと自分も力んでしまったので、ボールが続いて。僕の中では次まっすぐかなという風にも思ったんですけど、フォアボールを出して、ノーアウトランナー満塁の方がまだいいんじゃないかっていう考えもあったので。苦手ではあるスライダーを選択したんですけども、それが本当にうまくファーストゴロになってくれてよかったなと思いますね。

 -真ん中にいってしまった瞬間は

 真っすぐじゃなかった分だけ良かったのかなというか。僕が想像できることはおそらくバッターも想像できることなので。僕が真っすぐ投げたい時はバッターも真っすぐが来ると思ってるだろうと思うので。そこで勇気を持って、自分の得意球ではなく、相手が予測してなさそうな(ボールを投げた)。(打者が予測していなかったかは)わからないですけど。一番確率が低そうな球を選択したのが良かったなと思いますね。

 -これほどの緊張はこれまで経験はあったか

 (6月21日に)メッツに10失点した後の、(6月27日の)サンフランシスコ(ジャイアンツ)の登板は同じような気持ちでしたね。もうなんか投げたくない、マウンドに上がりたくないっていう精神的にちょっと押しつぶされそうな気持ちにはなってました。2回目ですかね。

 -前回7回ノーノーしてからの登板。今日の恐怖心はドジャース打線が要因か

 ドジャース打線っていうのは間違いなくありますし。でも、前回メッツで10失点した後のサンフランシスコで投げてる時のメンタルの反省があるので。例えばそういう時に、自分の中でもう1人俯瞰(ふかん)して…俯瞰(ふかん)した自分を作り出して、こんなことでビビってんのかみたいな。こんな楽しい舞台はないはずだぞっていうのを、もう1回自分に言い聞かせて。ホームランを打たれながらでしたけども、これを楽しいと思わなければダメなんだっていう風になりましたね。

 -ホームランを打たれてからの切り替えは

 メンタルのコーチがいるんですけども。その人に1回相談したことがあって。「マウンドの上で反省はしなくていい。試合が終わった後に反省をすればいいだけの話だ」っていう言葉をいただいて。本当にそうだなと思って。マウンドの上はもうある程度自分に無責任な…無責任かと思われるかもしれないですけども…開き直って投げることが大事なので、今この場で反省すればいいのかなと思うので。その辺のメンタルの切り替えがすごくコツをつかんだなっていうのはありますね。

 -今日はいつ頃ペースをつかんだか

 ブルペンで本当に変化球が1球もストライク入らなくて。で、真っすぐも全く指にかからずに抜けていて、これほんとに大丈夫かな?って。本当に不安の方が大きかったんですけど、初回を全力で投げて乗り切ったことによって、メーターをいったん振り切らせて、後はこのぐらいでいいやっていうので調整できたので。初回が本当にうまくいって良かったなと思います。

 -今日の登板で楽しめた場面は

 7回のマウンドに上がるときは、すごく楽しい気持ちで上がれたかなと思いますね。6回3失点なのか、4点目取られるのかっていうのは、かなり見栄えとしても違うので、先発ピッチャーとしては。でも、このマウンドに上げてもらっているってことは、すごく光栄なことなんだっていうのを、もう1回再確認してっていう気持ちで楽しみました。

 -3回のピンチをしのいだ時に十字を切っていた

 うちにハビエル・アサドっていうピッチャーがいるんですけど、アサドがあれやるんですよ。イニングごとに毎回。で、アサドと話してて「あれかっこいいからまねしていいか」って言ったんですよ。そしたら「いいよ、まねしてくれ」って言われ。なんか、ほっとした時はアサドのまねしてます。

 -(仏教系大学の)駒大OBとして問題ないか

 どうなんですかね。信じるものはいくつあってもいいんじゃないですか?わかんないすけど。

 -大谷選手様々と言っていたが雰囲気は違ったか

 やはり登板前日もたくさんの人から「明日頑張ってね」っていう風にいただきましたし。これでちょっとでも僕の名前を覚えてくれる日本人の方が2人ぐらい増えただけなので。

 -大谷の右飛は芯を外していたか

 (本拠地の)リグレーだったら入ってたかなっていうような、ちょっとそういう気持ちにはなりましたね。でも、先っぽだったので。確かスライダーかな。これが入ったらちょっと勘弁してくれよっていう気持ちでちょっと見てましたけど。

 -大谷の打球速度は190キロ以上

 ファーストの打球なんか110マイル(177キロ)ぐらいあったので。ピッチャー返しだけは来ないでくれって願ってましたけど。