技巧派レフティーから大変貌 昨季0得点→11ゴール、FW三島拓人の意識を変えたコンバート

AI要約

島根県の強豪校・立正大淞南高校のFW三島拓人がプリンスリーグ中国で活躍し、チームを勝利に導く。

三島は選手交代で前進し、高田真希さんの助言からも力を得て得点を決め続けている。

ポジション変更によって変わった意識が三島のプレースタイルを変え、11ゴールを獲得している。

技巧派レフティーから大変貌 昨季0得点→11ゴール、FW三島拓人の意識を変えたコンバート

 中国地方で大暴れしているストライカーがいる。島根県の強豪校・立正大淞南高校のFW三島拓人(3年)だ。U-18世代の9地域リーグの1つであるプリンスリーグ中国で、ゴールを量産。9月7日のレノファ山口U-18戦では、1-1で迎えた終盤に勝ち越しゴールを決めた後、後半アディショナルタイムに追いつかれたが、直後に味方のクロスに飛び込んで相手に倒されPKを獲得。自ら決勝点を決めると同時に試合が終了。ラストプレーでチームを3-2の勝利に導いた。

 試合終盤は、選手交代により中盤でプレーする機会が多くなっていたが、味方のプレーを見て瞬時に「一か八かで信じて走った」という判断が物を言った。

 前日の授業で聞いた言葉が頭に残っていた。2021年の東京五輪で銀メダルを獲得し、今夏のパリ五輪にも出場したバスケットボール女子日本代表の主将・高田真希さんが講演。三島は「高田さんは、4クォーターで相手の動きが落ちるから、そこで勝負と話していました。最後の最後まで諦めなかったら結果はついてくるという言葉が響きました。今日は前半でチャンスを決められなくて、点を取れないのかなと感じたけど、最後まで行こうと思って、本当に最後の最後で点が取れた。一流選手の言うことは間違っていないと思いました」と早速生きた助言に感謝した。

 レノファ山口U-18戦で2点を追加し、通算11ゴールで得点ランク首位に立つ。昨季、無得点だった選手とは思えない変貌ぶりだ。

 ポジション変更による意識の変化で大化けした。三島は、ボールと体の扱いに優れる左利き。昨季までは中盤でプレーしており、「チャンスを作るパスが、自分の武器だと思っていた」と話す。しかし、選択肢とイメージを多く持てるがゆえに決断を迷い、味方とタイミングが合わない場面が少なくなく、最前線にコンバートされた。

 すると、ゴールを求める気持ちが高まり、少しずつプレーが変わった。最初は、相手を背負って縦パスを受け、味方にボールを預けてからパスを受け直していた。しかし、それではシュートチャンスが増えない。次は、味方のパスを前方にターンしながら受けてゴールを狙いやすくした。そして、今は「もっとゴールに近いところでボールをもらわないといけない」と、相手の背後でパスを受ける動きに磨きをかけている。