松井裕樹と好相性を誇る日系4世の“相棒” 明かした魅力…直球には「明らかな特徴」

AI要約

パドレスが地区首位のドジャースに猛追中で、地区V進出へ期待が高まっている。

移籍1年目の松井裕樹投手はチームに溶け込み、ブルペンで重要な役割を果たしている。

カイル・ヒガシオカ捕手は松井のフォーシームを高く評価し、勝者のメンタリティと自己管理能力がチームにとって重要だと語っている。

松井裕樹と好相性を誇る日系4世の“相棒” 明かした魅力…直球には「明らかな特徴」

 2年ぶりのポストシーズン進出へ順調に勝ち星を重ねているパドレスは現在、18年ぶりとなる地区Vの可能性を求め、地区首位のドジャースを猛追している。145試合終了時点でゲーム差は6。決して容易い状況ではないが、24日(日本時間25日)からは敵地ドジャースタジアムで3連戦が予定されている。ここまでに3ゲーム差以内としておけば、逆転優勝も十分に有り得る状況だ。

 メジャー13年目のダルビッシュ有投手とともに、佳境も佳境、シーズン最終盤のデッドヒートの中に身を置くのが、移籍1年目の松井裕樹投手だ。ここまで61試合に投げて4勝2敗9ホールド、防御率3.84の成績。8月29日(同30日)カージナルス戦から3試合連続で失点してはいるものの、ブルペンで貴重な左腕。楽天での10シーズンで記録した236セーブという実績もあり、チームからの信頼は厚い。

 将来のメジャー移籍を見据えて磨いていたという英語力は、AJ・プレラーGM、ルーベン・ニーブラ投手コーチら首脳陣はもちろん、今季は安定した打撃でチームを牽引するジュリクソン・プロファー外野手らチームメートも認めるところ。チームにいち早く溶け込んだ松井の活躍を我がことのように喜び、「ユウキとバッテリーを組むことを心から楽しんでいる」と話すのが、同じく今季からパドレスに加入したカイル・ヒガシオカ捕手だ。

 2008年にドラフト指名されて以来、ヤンキース一筋で過ごした日系4世。プロ10年目の26歳でメジャーデビューを果たし、ヤンキースでは田中将大投手(現楽天)ともバッテリーを組んだ。2022年には83試合、2023年には92試合に出場しヤンキース投手陣を支えたが、昨年12月にフアン・ソト外野手を中心とする計7選手の大型トレードでパドレスへ移籍。今季はルイス・カンプサーノ捕手とのコンビで投手陣をリードする。

 ヒガシオカは松井の投球について「他の球種もいいけれど、彼の最高の武器はフォーシームだ」と語り、フォーシームを軸とした配球でアウトの山を築く。「明らかな特徴を持つ」というフォーシームは、打者目線からは「浮き上がってくるように見える」特別なもの。ニーブラ投手コーチと同様に、ヒガシオカも「小柄な身長が有利に働いている」と話す。

 18.44メートルの距離で向き合うパートナーが何よりも高く評価するのが、松井の自己管理能力だ。

「ユウキさんは毎日ウエートルームに一番早くやってきて、本当に熱心に自分のルーティンに向き合っているんだ。マウンド上でも非常に素晴らしい球を投げる。シーズンを通じてマウンドに立ち続けるには、毎日体の準備が整っているか確認したり、自分の持ち球をさらに磨き続けたり、彼のように自己管理ができることが大切。本当に素晴らしい」

 10月から始まるポストシーズンに進出できるのは、メジャー30球団のうち12球団。ワールドシリーズ27回の優勝を誇る伝統球団・ヤンキースでキャリアを積んだヒガシオカは、自然と勝者のメンタリティを身につけてきた。ペナントレースを制するため、ポストシーズンに進出するため、チームにとって最も大切なのは「シーズンを通じて好不調の波がない戦い方をすること」。それを支えるのは、選手個々の安定したパフォーマンスであり、自己管理能力。だからこそ、初めて続きの異国の地でも、日々変わらぬルーティンで準備をする松井に一目を置く。