ハンドボール新リーグは課題山積のまま船出 寂しい観客890人、短すぎた準備期間…段階的プロ化へ重要な10か月

AI要約

ハンドボールの「リーグH」が開幕し、ジークスター東京がゴールデンウルヴス福岡に勝利。しかし観客動員は少なく、準備期間が短かったことも課題として残る。

選手の技術や華麗なプレーに観客が沸く一方で、リーグ開幕のサポートが不十分であったことが明らかになる。

新リーグの開幕戦は淡々としたものとなり、準備不足が露呈。チームの意識や取り組みも残るところがある。

ハンドボール新リーグは課題山積のまま船出 寂しい観客890人、短すぎた準備期間…段階的プロ化へ重要な10か月

 ハンドボールの「リーグH」が6日、開幕した。記念すべき「開幕戦」は東京・ひがしんアリーナで行われ、ジークスター東京がゴールデンウルヴス福岡と対戦。東京が34-29で白星スタートを切ったが、準備期間の短さもあってか観客は890人と寂しかった。段階的なプロ化を目指す新リーグは、課題を山積したまま静かに船出した。

 ショーアップされた選手紹介に乗ってコートに登場する新旧日本代表のスター選手。高い技術を駆使したトリッキーなパス回しに、豪快なポストプレー、華麗なスカイプレーに観客が沸く。ホームの東京が福岡の粘りに苦しみながらも新リーグの初戦を勝利で飾った。

 もっとも、昨年までの日本リーグと大きな違いはなかった。平日だったとはいえ、観客は1000人を超えた昨年の同チームの1試合平均にも届かない890人。テレビカメラもなく、報道陣も普段より多いとはいえ10人程度。違うのは、リーグHの中村和哉代表理事のあいさつと始球式ぐらい。「何が変わったの?」と突っ込みたくなる開幕戦だった。

 当初予定された24年秋の新リーグ発足に向けて昨年7月に中村氏がリーグの代表理事に就任したが、準備期間が短かすぎた。新リーグの開幕戦ともなれば、強豪同士の注目カードが選ばれ、リーグ主導で開幕セレモニーや観客動員が行われそうなものだが、それもできなかった。

「本来ならリーグとして開幕戦を考えるべきだが、すでに日程も決まっていて動かせなかった」と中村代表理事。もともと予定されていた昨年リーグ3位の東京と同13位の福岡の試合が「開幕戦」になった。東京はチアパフォーマンスチームをデビューさせるなど新たな取り組みもあったが、大賀智也社長は「観客動員もしたが、時間がなかったことやカード的な問題もあって難しかった」と話した。

 昨年最下位の福岡は開幕戦を意識。記念のリーグH初得点を決めた木村翔太は「相手は強いし、恥ずかしい試合だけはしないように話していた」と明かしたが、東京の選手たちは「普段と変わらない」と淡々。細川智晃は「ミーティングでも開幕戦だからという特別な話はなかった。いつも通りでした」と話した。