平岡アンディが24戦全勝で世界初挑戦切符 暫定王者バロッソに9回TKO勝ち

AI要約

プロボクシングWBA世界スーパーライト級6位の平岡アンディが、世界初挑戦の切符を手にした。

9ラウンド2分58秒のTKO勝ちで、10戦連続KO勝利を挙げた。

平岡はWBA正規王者ホセ・バレンズエラに挑戦を宣言し、日本人王者の誕生に期待が高まる。

平岡アンディが24戦全勝で世界初挑戦切符 暫定王者バロッソに9回TKO勝ち

<ボクシング:世界スーパーライト級挑戦者決定戦>◇3日◇有明アリーナ

 プロボクシングWBA世界スーパーライト級6位の平岡アンディ(28=大橋)が、世界初挑戦の切符を手にした。

 世界同級暫定王者イスマエル・バロッソ(41=ベネズエラ)との挑戦者決定12回戦に9回2分58秒TKO勝ちを収めた。10戦連続KO勝ちで、13年12月のプロデビューから24戦全勝(18KO)とした。

 相手は25勝中23KO(4敗2分け)の強打者。今年1月に暫定王座を獲得した、キャリア19年のベテランに冷静に試合を進めた。

 序盤は右ジャブを軸に様子を見て「作戦通りに試合を進めることができた」。6回の右フックで1度目のダウンを奪い、ペースを握る。8回に右目下をカットするが、勢いは止まらない。

 9回終盤、試合を決める。左ストレートにカウンターを合わせ、連打でコーナーに追い込みダウン。立ち上がった相手が出てきたところに左を合わせる。再び連打で3度目のダウンを奪った。相手陣営が棄権の意思表示をして、試合終了のゴングが鳴り響いた。

 「パスしなければいけないステージ。プレッシャーもあった」と吐露したが「とてもホッとした」と涙を流した。

 約9カ月ぶりのリングでさらに成長した姿を見せた。昨年12月、セバスチャン・ディアス(メキシコ)に5回TKO勝ち。その後、海を渡って万全の調整を進めてきた。3月31日に父ジャスティス・コジョ・トレーナーとともに英国へ。約1カ月、スパーリング合宿を積んだ。WBC世界スーパーライト級2位ジャック・カテラル(英国)から2度ダウンを奪取した。

 世界を知る者と拳を交え、自分の立ち位置を知った。大きな自信を胸に、有明アリーナのリングで輝いた。ただ今回は、あくまで挑戦者決定戦。日本ボクシングコミッション(JBC)はWBA暫定王座を公認しておらず、バロッソの暫定王座はかけられなかった。「世界挑戦」の舞台は次戦以降に持ち越されたが、この勝利で大きく近づいた。

 見据えるはWBA正規王者ホセ・バレンズエラ(米国)。試合後、リング上で「バレンズエラ、待ってろよ!」と宣戦布告した。

 これまで日本人で世界同級王者に輝いたのは、藤猛、浜田剛史、平仲明信の3人のみ。1992年の平仲を最後に、日本人王者は誕生していない。32年閉ざされた扉を、平岡の拳でこじ開ける時が近づいてきた。