“追い込んでも危険な打者”に成長…昨季の弱みを見事に消した中日・細川 安打と四球で既にキャリアハイ達成

AI要約

細川はキャリアハイを目指して安打と四球を増やし、2ストライク後の打率も改善されている。

初球打率も維持しながら、積極性を保ちながら追い込まれても危険な打者に成長している。

月間最低打率は5月の2割7分5厘で安定した成績を残しており、全試合出場に向けて頑張っている。

“追い込んでも危険な打者”に成長…昨季の弱みを見事に消した中日・細川 安打と四球で既にキャリアハイ達成

◇渋谷真コラム・龍の背に乗って

 開幕前に細川が思い描いていたのは「全ての部門でキャリアハイを目指す」だった。言い換えれば「昨季の自分超え」。23試合を残して、クリア済みの数字が2つある。安打(131→132)と四球(49→51)だ。

 細川といえば本塁打と打点。打率上位を維持し、最多安打を争う現状は意外でもある。ただ、数字は正直だ。細川の安打と四球が増えている理由は、2ストライク後の打率が大きく改善されたからだ。

 昨季の1割4分9厘はセ・リーグの規定打席到達者の中で最下位だったが、今季は2割2分7厘で上位に食い込んでいる。本塁打は前年比4倍増で、岡本和(巨人)と並ぶトップの8本。四球も過半数の29をフルカウントから選んでおり、こちらも村上(ヤクルト)の39に次いでリーグ2位の多さだ。

 「四球が増えているのは素直にうれしいことです。去年は追い込まれたら変化球をケアしすぎてタイミングが遅くなっていたんですが、今年はタイミングは変えずに方向を変えようと意識しているのが結果に出ているんだと思います」

 追い込まれたらお手上げだった細川が、明らかに最後のストライクを奪うまで危険な打者になっている。しかもリーグ4位(4割2分4厘、7本塁打)だった初球打率も4割6分、5本と維持されたまま。積極性という強みを損なわず、追い込まれてからの弱みを見事に消している。

 「去年からの経験もありますし、打席を重ねていくうちにこんな感じかなと改善もできた。スコアラーさんからの情報もしっかり頭に入れながらやれているので」

 ここまで3月(3試合)を除けば月間最低打率は5月の2割7分5厘。故障なく安定した成績も残せている。あと23試合。初の全試合出場は、譲れないキャリアハイである。