【伊東純也・三笘薫復帰も、守備に不安も…。9月代表メンバーを読み解く(2)】アジアカップで挫折した鈴木彩艶、細谷真大の進化は……パリ五輪世代は爪痕を残せるか

AI要約

2026年北中米W杯アジア最終予選に向けて、若手世代の抜擢によるチーム活性化が森保一監督の注目ポイントとなっている。

今回のメンバーにはパリ五輪世代を含む若手が多く選ばれ、今後の日本代表の展望が期待されている。

特に鈴木彩艶と細谷は成長が著しく、中国・バーレーン戦での活躍が期待されている。

【伊東純也・三笘薫復帰も、守備に不安も…。9月代表メンバーを読み解く(2)】アジアカップで挫折した鈴木彩艶、細谷真大の進化は……パリ五輪世代は爪痕を残せるか

 2026年北中米W杯アジア最終予選・初陣2連戦である中国(5日=埼玉)・バーレーン(10日=リファー)2連戦に向け、日本代表の森保一監督が意識したのが「若い世代の抜擢によるチーム活性化」だろう。

 今回のメンバー27人を見ると、2022年カタールW杯出場の常連組である久保建英(レアル・ソシエダ)に加えて、1~2月のアジアカップ(カタール)に参戦した鈴木彩艶(パルマ)と細谷真大(柏)、パリ五輪で一気に評価を挙げた高井幸大(川崎)、今季J1で快進撃を見せている町田ゼルビアの大型右SB望月ヘンリー海輝と、2001年生まれ以降のパリ五輪世代が5人選ばれている。

 6月シリーズのミャンマー戦(ヤンゴン)でも鈴木唯人(ブレンビー)が初キャップを飾ったが、指揮官の中には「2022年カタールW杯に出たメンバーだけで4年後に行ってしまうと、どこかで頭打ちになる」という危機感が強いのだろう。

 実際、過去の代表を見ても、2002年日韓W杯のメンバーが中心となって挑んだ2006年ドイツW杯、2010年南アフリカW杯の若手がそのまま4年後の主軸となった2014年ブラジルW杯でそれぞれ惨敗している。「下からの突き上げながいチームは停滞する」というのは日本サッカー界の常識になっていると言っても過言ではない。だからこそ、森保監督は若手に大きな期待を寄せているはずだ。

 このうち、久保以外に今回の試合に絡んできそうなのが、鈴木彩艶と細谷だ。鈴木彩艶はご存じの通り、今夏移籍したイタリア・セリエAのパルマで定位置を確保。日に日に評価を高めている。元代表キャプテンでもあるJFAの宮本恒靖会長も「日本人選手がイタリアという守備を重んじる国のGKを務めているのは今までになかったこと」と発言。まさに画期的な出来事と言っていい。

 アジアカップの頃は「なぜ鈴木彩艶を使い続けるのか」といった批判的な目線も少なくなかったが、イタリアでのパフォーマンスを見ると、冷静さと安定感が増しているように見受けられる。アジアカップで問題視されたキャッチングやパンチングの判断もより的確にできるようになっているはずだ。GKがどっしり構えていなければ、最終ラインも落ち着かなくなる。彼の確固たる進化が代表でも見られれば、中国・バーレーン戦は安心だ。

 細谷にしても、パリ五輪で優勝したスペイン相手に堂々たるプレーを披露。VARで取り消されたゴール含め、「世界トップ相手でも十分にやれる」という事実を示した。本人も自信と手ごたえをつかんでおり、アジアカップ当時とは比べ物にならないほど頼もしくなっている。