鈴木彩艶セリエAデビューとパルマ発ミラノ着「観戦ハシゴ」100キロ旅(1)日本代表GK「ACミラン」撃破と中田英寿「トップ下」フル出場

AI要約

鈴木彩艶がセリエAで好調なデビューを果たし、強豪ACミラン相手の勝利に貢献している。

鈴木の守備力やロングキックの活躍が注目されており、新しいタイプのGKとして成長が期待されている。

日本人GKがイタリアのクラブで守護神となる光景は、日本のGKの力強さが証明される重要な時代の幕開けかもしれない。

鈴木彩艶セリエAデビューとパルマ発ミラノ着「観戦ハシゴ」100キロ旅(1)日本代表GK「ACミラン」撃破と中田英寿「トップ下」フル出場

 蹴球放浪家・後藤健生は、世界中のサッカーを見るために放浪してきた。だが、その足取りはまだまだ止まらない。生涯をかけて1万試合を観戦するという目標があるからだ。そのためには、「ハシゴ観戦」が欠かせない。

 鈴木彩艶がセリエAデビューを果たしましたね。今シーズン、シントトロイデンからパルマに移籍した鈴木。開幕節のフィオレンティーナ戦からいきなりスタメン起用され、第2節では安定した守備を見せて昨シーズン準優勝の強豪ACミラン相手の勝利に大きく貢献しました。

 2試合とも失点は1点ずつ。どちらも、GKの責任となるような失点ではありませんでした。フィオレンティーナ戦でFKを与えてしまったプレーの評価は難しいところですが、原因はDFとのコミュニケーション。デビュー戦ということを考えれば、仕方のないプレーだったように思います。

 また、フィオレンティーナ戦の先制ゴールは鈴木のロングキックが起点となったもの。この得点場面だけでなく、鈴木のロングキックやロングスローイングは再三チャンスにつながっていました。

 パス回しに参加するだけでなく、ロングキックを使うGKも最近は増えてきましたが、鈴木のキックの距離感は他の追随を許さないものがあります。その身体能力を生かして、新しいタイプのGKとして成長していくのを期待しています。

 守備の文化を持つイタリアという国。そして、あのジャンルイジ・ブッフォンが育ったパルマというクラブで、22歳の日本人が守護神となっているのは信じがたい光景です。

 つい最近まで、GKというポジションは日本の弱点のように思われてきましたが、最近は若いGKが何人も育ってきています。もし、鈴木彩艶がセリエAで成長していけば、「GKは日本のストロングポイント」と言われる日が来るのかもしれません。

 パルマのホーム、スタディオ・エンニオ・タルディーニも久しぶりに画面で見て、懐かしく感じました。僕は、中田英寿が移籍するよりずっと前の1999年にパルマのクラブを取材に行きました。

 最初に訪れた頃は、地元の世界的な乳製品会社「パルマラット」と提携して経営を安定させ、また育成にも力を入れて、中堅クラブのお手本のようなチームでした。ところが、その後、「パルマラット」が経営破綻してクラブも破産。現在のクラブは、その後、新しく立て直したものです。