松山英樹っぽい!? 世界女王のネリー・コルダは“ネジレ”も最強だった【世界で戦うドラテク】

AI要約

米国女子ツアーの世界ランキング1位、ネリー・コルダの驚異的なドライバースイングを解説。長身から繰り出す平均飛距離267ヤード、フェアウェイキープ率72.47%の飛んで曲がらないスイングに注目。

ネリー・コルダのスイングの特徴は上半身と下半身の捻転差。ダウンスイングで胸と顔を右に向けながら、腰を左に向けていく動きが飛距離を生み出す秘訣。

上半身と下半身のネジレの差が大きいことで、ネリーは飛んで曲がらないボールをしっかり打つことができる。これは松山英樹選手とも共通する動きだ。

松山英樹っぽい!? 世界女王のネリー・コルダは“ネジレ”も最強だった【世界で戦うドラテク】

世界最高峰の米国女子ツアーでは、ドライバーで平均250ヤード以上飛ばし、70%以上の確率でフェアウェイを捉えてくる選手たちがしのぎを削る。今回取り上げるのは、世界ランキング1位に君臨するネリー・コルダ(米国)。178センチの長身から繰り出す平均飛距離267ヤード、フェアウェイキープ率72.47%の飛んで曲がらないスイングを、プロコーチの森守洋氏が解説する。

ネリー・コルダは歴史に残る最強スインガー。飛んで曲がらない女王と言ってもいいでしょう。どこにも変な力が入っていません。一番すごいのは上半身と下半身の捻転差です。トップよりもダウンスイングに入ってからの方が捻転差が大きく、この形ができれば飛ぶんだろうなと感じさせます。

ダウンスイングで胸と顔は右を向けたまま、腰は左に向けていく。だからインパクトまで捻転差をキープできるのです。この顔や体の使い方は松山英樹選手にも近いし、女子選手でここまでネジレが大きい選手はなかなかいません。

野球でいうとプロの速球派投手。ギリギリまで胸を開かずに反対方向に向けておいて、一気に正面に向けて速い球を投げる。それと同じ動きなのです。速い球が投げられない素人は、上半身と下半身のネジレができず一緒に動いてしまう。ネリーは上半身が早く開いたりしないので、飛んで曲がらないつかまったボールが打てるんです。

■ネリー・コルダ

1998年生まれ、米国フロリダ州出身。両親は元プロテニスプレーヤーで、父のペトルはチェコ・プラハ出身で98年に全豪オープンを制した。また、弟のセバスチャンはプロテニスプレーヤーで、姉のジェシカもプロゴルファーというスポーツ一家。今季は4月のメジャー「シェブロン選手権」で史上3人目となる出場5試合連続優勝を達成した。

■森守洋

もり・もりひろ/1977年生まれ。静岡県出身。ゴルフを始めたのは高校から。95年に渡米しミニツアーを転戦しながらゴルフを学んだ。02年からレッスン活動を開始し、現在は原江里菜、堀琴音、香妻陣一朗のコーチを務めている。東京都三鷹市にある『東京ゴルフスタジオ』を主宰し、YouTubeチャンネル「森守洋のGolf TV」では、ツアープロや芸能人などへのレッスンを配信中。

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●パリ五輪の女子ゴルフは、ニュージーランド代表のリディア・コが金メダルを獲得した。関連記事の【悲願の金メダル獲得! リディア・コはクラブの設計図通りに振る完全オンプレーンスイング】では、「AIG女子オープン」で米ツアー通算21勝目を挙げた効率的なドライバースイングを、プロコーチの森守洋氏が解説している。