パリ五輪銀・岡田奎樹、吉岡美帆組が貫禄の総合首位キープ 凱旋試合で「面白いレースを」…セーリング全日本

AI要約

パリ五輪銀メダルの岡田奎樹(トヨタ自動車東日本)、吉岡美帆(ベネッセ)組が全日本470級選手権で総合首位を維持

岡田、吉岡組は圧倒的な強さを見せ、次世代への技術や知識の伝承に意欲

ペア解消を控え、残り2日間で後進の糧となるレースを誓う

パリ五輪銀・岡田奎樹、吉岡美帆組が貫禄の総合首位キープ 凱旋試合で「面白いレースを」…セーリング全日本

◆セーリング ◇全日本470級選手権 第3日(23日、神奈川・江の島ヨットハーバー沖)

 決勝シリーズが始まった。パリ五輪銀メダルの岡田奎樹(トヨタ自動車東日本)、吉岡美帆(ベネッセ)組は3レースを1位、3位、1位で総合首位をキープした。

 岡田、吉岡組がパリ五輪直後の“凱旋(がいせん)試合”で予選シリーズを含め、9レース中7レースで1位と圧倒的な強さを見せている。この日も2レース目はスタート直後の混戦に巻き込まれて大きく出遅れたが、3位まで順位を上げてフィニッシュ。他の2レースは風速7メートルのコンディションでトップスピードを生かし、解消した。岡田は「江の島の夏らしい、いい風だった。成績的にも良かった。明日も面白いレースができれば」とうなずいた。

 セーリングで20年ぶりの五輪メダルと快挙を成し遂げ、13日に帰国したばかりだが、今大会に出場した狙いは次世代に技術や知識を伝えたいとの思いから。だからこそ、コンディションが万全ではない状態でも若い世代と競り合う展開が少ない現状に歯がゆさも感じているという。岡田は「次世代の子が『五輪に出る』ではなく『金メダルを取るために』という目線で」と前置きした上で、「残念だなと思う」率直な心境を口にした。

 吉岡も「正直もうちょっとみんな上位に上がってくるのかなと思っていた。このぐらいの風が吹くと、普通にレースをしたら私たちがダントツでフィニッシュしちゃう。もうちょっと他の子と絡めたらいい」と、次世代の選手たちの奮起を期待した。2人は今大会限りでペアを解消し、それぞれのステップに進む予定だ。岡田は「もうちょっと技術をオープンに見せていってもいい。何かしら見て感じ取って吸収してもらえれば」。残り2日間、28年ロサンゼルス五輪を目指す後進の糧となるレースを誓った。