バレーボール最速昇格成し遂げた“SVリーグの異端児”。旭川初のプロスポーツチーム・ヴォレアス北海道の挑戦

AI要約

バレーボールのSVリーグに参加する異色のチーム、ヴォレアス北海道の創設者である池田憲士郎氏が、チームの経緯や目指す方向性について語る。

池田氏はバレーボールの可能性に注目し、北海道を拠点にする理由や地域の特性を活かす独自のチーム作りを模索。

旭川初のプロスポーツチームとして成功を収め、SVリーグ参入に向けてさらなる飛躍を目指すヴォレアス北海道の取り組みに注目が集まっている。

バレーボール最速昇格成し遂げた“SVリーグの異端児”。旭川初のプロスポーツチーム・ヴォレアス北海道の挑戦

2024年秋に「世界最高峰のリーグ」を目指してスタートするバレーボールのSVリーグ。男子は全10チームでスタートするが、中でも異色のチームカラーを放つのがヴォレアス北海道だ。8年前に同クラブを立ち上げた池田憲士郎氏は、グローバルな視点で魅力的なプロチームとしてのあり方を模索し、6年目にして最速でのトップリーグ昇格を実現。旭川初のプロスポーツチームとして、独自の組織づくりで結果を残してきた池田社長に、クラブの飛躍の背景と、SVリーグへの展望について語ってもらった。

(インタビュー・構成=松原渓[REAL SPORTS編集部]、写真提供=ヴォレアス北海道)

――ヴォレアス北海道は2016年に旭川初のプロスポーツチームとして創設され、最速の6シーズンでトップリーグに到達しました。池田社長は、バレーボールのどのような部分に可能性を感じてクラブを立ち上げたのですか?

池田:私自身、幼少期はサッカーや水泳、バスケをやったりして、その後にバレーボールを始めて中学校から社会人も含めて競技を続けた経験があります。その中で、バレーボールがすごく奥深い競技で、日本人に合っているスポーツだと感じていました。競技人口で言えば、世界一のメジャースポーツですし、その高いポテンシャルに可能性を感じたことがあります。しかも、日本は世界の中で身長という圧倒的なアドバンテージがないにも関わらず、トップ5にいます。他の競技では、そこまで行っていません。

 また、北海道はバレーボールを町のスポーツ、いわゆる町技にしている地域がすごく多いんです。なぜかというと、北海道は冬は積雪でスポーツができず、農家のお母さんたちが運動不足解消にバレーボールをやるようになったからです。時代が“東洋の魔女”ともマッチしたことも大きいですね。役場対抗バレーボール大会などのイベントもあるぐらい、バレーボールが浸透している地域性も重なり、バレーボールという競技に大きな可能性を感じました。

――その中で、旭川市を拠点にした決め手は何だったのですか?

池田:チームを立ち上げる際に都市部の札幌を推す声は大きかったのですが、あえて旭川市を選んだ理由は、プロスポーツチームがなかったことです。人口は33万人ですが、逆に人口30万人を超えてスポーツチームがない地域はあまりないと思います。また、地方は住む理由がなく、都市部に人が流れてしまうので、スポーツの力でその地域にフラッグを立ててシンボルを作れば、それが人が住む理由とか、移住する理由になるんじゃないかと思ったんです。私自身が生まれ育った土地でもありますから、旭川に地元愛を持つきっかけづくりにしたかったこととも一つの理由でした。