【川崎】鳥栖から完全移籍のMF河原創が練習合流。成長とACLを求めた移籍決断の熟慮を語る……鬼木監督は「違うタイプ」の選手加入を歓迎

AI要約

8月20日、川崎フロンターレはサガン鳥栖から河原創の獲得を発表。河原は急速にチームに合流し、練習に参加している。

選手の移籍に伴い、川崎は新戦力の補強に迅速に動き、監督も新たな戦力を高く評価している。

河原自身はチャレンジ精神旺盛で、川崎での活躍やACLへの挑戦に意欲を燃やしており、新たな環境での成功を目指す姿勢を示している。

【川崎】鳥栖から完全移籍のMF河原創が練習合流。成長とACLを求めた移籍決断の熟慮を語る……鬼木監督は「違うタイプ」の選手加入を歓迎

 8月20日、川崎フロンターレはサガン鳥栖から河原創の獲得を発表した。この日の練習から、早くも合流している。

 蒸し暑い麻生グラウンドに、新しい顔が加わった。2022年にはJ2・ロアッソ熊本で、23年にはJ1・サガン鳥栖で全試合フル出場していた鉄人が、新たに川崎のユニフォームに袖を通すこととなった。

 川崎は14日、大南拓磨と瀬古樹の2人が海外移籍を前提とした手続きと準備のためにチームを離脱することを発表。その後、クラブは新たな戦力を迎え入れる準備を進めており、この日の練習後に取材に応じた鬼木達監督も「非常に素早くクラブが動いてくれた」と語った。

 その指揮官は、初めて川崎の練習に参加した河原について「積極的にやろうとしているし、ゲームを見ていたので印象通り」と振り返ったうえで、「“違うタイプ”というのが一つ重要だった」と今回の移籍獲得のプラス効果を語る。

 大南、瀬古の離脱が発表された14日の練習では、ボランチに車屋紳太郎と由井航太を起用してミニゲームを実施。中盤での組み合わせを増やす挑戦を見せていた。それだけに鬼木監督も、「守備の部分では(橘田)健人がいろんな役割を果たして、(大島)僚太もいい働きをしてますけれども」と2人のプレーを評価したうえで、「健人を(サイドなどに)スライドするケースもありますし、守備面でより動ける選手も必要になる」と話して、戦術的柔軟性の強化に期待感を膨らませた。

 その河原もこの日、取材対応。練習初日を終えて、「正確性」を挙げながら「本当にレベルが高い」と率直な感想を語った。

 さらに、「本当に悩みましたけど、チャレンジしたい気持ちがありました。その中で川崎から声をかけてもらった。何回か対戦しましたけど、本当にうまいなっていう印象でしたし、ここでやってみたいなと思っていた」と移籍への難しい思いを言葉にすると、「ACLも自分が移籍した決め手の一つでもある」と説明。「(アジアでの戦いは)絶対に激しいタフな戦いになると思いますけど、そこにひるまずしっかり戦えれば」と意気込んだ。

 そして、「運動量の部分が特徴なので出していきたいですけど、組み立てや守備の強度も出してやっていければ」と川崎で貢献する姿をイメージし、激しい競争にも、「その中でどれだけ自分がやれるか。周りの選手からいろんなものを盗みながらやっていきたい」と話した。

「監督も変わりましたし、チームの順位も降格圏でしたし、その中で自分も試合に出ていたので、本当にここで出ていいのか」

 古巣を離れる苦しい胸の内をこう吐露した河原にとって、成長した姿を見せることこそが何よりの恩返し。ピッチを狭しと走り続ける姿を、遠く九州へと届ける。

(取材・文/中地拓也)