大谷打撃停滞の理由は焦りか重圧か メジャー移籍後初の優勝争いでこそ真価問われる…担当記者が見た

AI要約

大谷翔平投手が日本人初の全30球団からアーチを放つも、現状に苦しむ姿が見られた。

8月の成績停滞やチームの猛追に焦りが見られ、ロバーツ監督も大谷の状態に懸念を示している。

メジャー移籍後の初の優勝争いで、大谷は重圧を感じつつも復活を期待されている。

大谷打撃停滞の理由は焦りか重圧か メジャー移籍後初の優勝争いでこそ真価問われる…担当記者が見た

◆米大リーグ カージナルス5―2ドジャース(17日、米ミズーリ州セントルイス=ブッシュスタジアム)

 ドジャース・大谷翔平投手(30)が17日(日本時間18日)のカージナルス戦で38号ソロを放ち、日本人選手で初めて全30球団からアーチをマークした。だが、いまだ8月の不振を脱することができず、試合後の取材でも淡々と応じた大谷の現状を中村晃大記者が「見た」―。

 試合後の取材で大谷が笑顔を見せることは一度もなかった。全30球団からアーチを放つ日本人初の偉業達成でも、だ。ナ・リーグ西地区で首位を独走してきたが、ここに来て猛追を受けるドジャース。大谷自身の成績も停滞しており、焦りがあるのかもしれない。

 試合前、ロバーツ監督は8月の大谷の現状を「ここ3週間は四球(出塁)率が下がっている。スイングするかどうかの判断も(状態が)良かった時のようにはできていない」と分析していた。実際、この日を含めて15試合で5四球。8月は打率だけでなく出塁率も2割2分9厘だ。

 大谷を休ませる考えはあるかという質問に、2日前は「NO」と3度繰り返していた指揮官が「様子を見てみよう」と含みを持たせていた。試合後は「(5回の)あの弾道を気に入ったよ」と話したが、5月には休養を与えて復調させたこともあった。指揮官の選択にも注目が集まる。

 メジャー移籍後では初めての優勝争いで、追われる立場を経験している。パドレスの猛追を受け、最大9差あった2位との差は2ゲームまで詰まっている。看板選手としての重圧もあるだろう。この日は“MVPトリオ”のフリーマンが6回の守備で右手中指に打球を受け、8回の守備から途中交代。検査の結果、骨折ではなかったが、今後の経過次第では大谷への期待はさらに大きなものになる。それでも、昨年3月のWBCでは二刀流で侍ジャパンを世界一に導いた。待ち望んだ「ヒリヒリする」終盤戦で、必ずや完全復活した姿を見せてくれる。(中村 晃大)