告発相次ぐパリ五輪の“メダル劣化問題” 金&銀を手にした豪競泳スター選手も訴え「ちょっとぶつかっただけでへこんだ」

AI要約

パリ五輪でのメダルの劣化問題について、複数の選手が不満を表明。劣化するメダルの質に対する疑問が広がっている。

競泳界のスター選手であるアリアーン・ティトマスも、自身のメダルに傷やへこみがあることを明らかにし、メダルの品質問題が浮き彫りになった。

メダル劣化問題に対し、パリ五輪組織委員会やパリ造幣局が対応に乗り出し、交換の可能性も示唆されている。

告発相次ぐパリ五輪の“メダル劣化問題” 金&銀を手にした豪競泳スター選手も訴え「ちょっとぶつかっただけでへこんだ」

 大会後も次から次へと問題が論じられているパリ五輪。その中で、小さくない物議を醸す事態となっているのが、選手たちに提供されたメダルの劣化問題だ。

 オリンピアンから告発が相次いでいる。スケートボード男子ストリートで銅メダルを獲得したナイジャ・ヒューストン(米国)が自身のSNSで「みんなが思っているほど上質ではない」と訴えた投稿に始まり、バドミントン男子シングルスで連覇を果たしたビクトル・アクセルセン(デンマーク)も自身のXで東京五輪のメダルとの比較動画を投稿。明らかに劣化する今大会のメダルの質が波紋を呼んだ。

 せっかく勝ち取ったメダルが、わずか数週間で劣化する――。選手たちに同情の声が広まる中で、競泳界のスター選手も問題を提起している。母国のニュース番組『The Project』に出演した豪州女子競泳代表だったアリアーン・ティトマスは、「メダルに傷とへこみ」が出ていると公表した。

 このパリ五輪で、女子400m自由形と女子800mリレーで金、女子200m自由形、同800mで銀と合計4つもメダルを獲得したティトマス。いまや時の人となった彼女は、メディアの写真撮影や番組出演で引っ張りだこの存在となっており、そうした状況でメダルに問題が生じたという。

「こうやって4つのメダルを合わせて首からかけると、お互いにちょっとぶつかり合っただけで、引っかき傷がつき、すでに少しのへこみができるんです」

 故意にこすりつけたわけではない。それでもへこみや傷ができてしまうとは、百戦錬磨のトップアスリートでも予想外の出来事だろう。「私はメダルを守るために一生懸命努力をしている」と訴えるティトマスは、こうも続けている。

「これだから、もう私はメダルをいろんなところに持ち運ぶつもりはありません。私は小さな靴下の中にメダルを入れて、自宅の食器棚に置いておくつもりです」

 こうしたアスリートたちからの訴えを受け、パリ五輪組織委員会の広報担当者も認知。公の場で問題の根本原因を特定するために取り組んでいると公言。さらにメダル製造の責任を担っているパリ造幣局も「事前に鑑定をする」という条件付きながら交換に応じる考えを明らかにしている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]