選手と一緒に人生を賭ける楽しさ ゴール裏から声出すブラサカガイド

AI要約

夜の盲学校で行われるブラインドサッカーのクラブチームの活動について紹介。

指導者の高橋めぐみさんと選手たちの関係や、選手の自立をサポートする取り組みについて述べられている。

ブラインドサッカーが持つチームワークや競技の魅力について語られている。

選手と一緒に人生を賭ける楽しさ ゴール裏から声出すブラサカガイド

 「845(ハチヨンジュウゴ)!」。夜の盲学校の暗い校庭に数字の声が響く。ブラインドサッカーのクラブチーム「free bird mejirodai」でガイドをする高橋めぐみさん(31)が、選手にゴールとの距離と角度を伝えている。「845」であれば、ゴールまで8メートルで角度が45度という意味だ。

 高橋さんは、昼間は男子日本代表チームの主務として、夜はクラブチームのガイドとして活動している。

 ガイドを始めた頃、ある選手に「『シュート!』って言わないで。打つかどうかは自分で決めたいから」と言われた。選手たちが「ピッチの中で自由に動けることを大切にしている」と知った。「とはいえ選手のレベルも様々。選手の性格も考えて、強い言葉で鼓舞するか、緊張を和らげる言葉をかけるか考えます」

 障害が、個人によるものなのか、環境によるものなのかを意識している。代表のクラブハウスでは、点字を使うと、選手が練習道具を自分で手に取れるようになった。「見えている前提だったから、できないことが出てくる。でも、ここは全盲多数の世界。彼らが自分でできる環境の中で、さらに競技に集中するためにすべきことをしていきたい」

 「みんなと一緒に競技に人生を懸けられるのは、めちゃくちゃ楽しい。『支える』とかじゃなくガイドはチームの一員。選手もガイドも監督も、互いに求め合える関係がブラサカの魅力です」(伊藤進之介)