好走塁、内野ゴロ…岡山学芸館、1点をもぎとる野球 夏の甲子園

AI要約

小田選手のヒットで先制し、田井選手の犠牲フライで2点目を追加した岡山学芸館が2回戦で2-0で勝利し、5年ぶりの3回戦進出を果たした。

チームは少ないチャンスを活かす野球を得意とし、走塁に徹底的にこだわっている。守りも堅固で、投手陣が完封勝利を収めた。

佐藤監督の指導方針である"とにかく貪欲に泥臭く、1点をもぎ取っていく"スタイルが功を奏し、チームは甲子園で2連勝を果たした。

好走塁、内野ゴロ…岡山学芸館、1点をもぎとる野球 夏の甲子園

 第106回全国高校野球選手権大会は第9日の15日、阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で2回戦が行われ、岡山学芸館が掛川西(静岡)に2―0で勝ち、5年ぶりの3回戦進出を果たした。

 ◇「3点取れば勝てる」

 迷いなく一塁ベースを駆け抜けた。二回だ。1死から打席に入った岡山学芸館の6番・小田裕貴選手は4球目、真ん中寄りの狙った直球に反応すると、打球は一塁手の頭を越え右翼線に落ちた。右翼手が打球の処理にわずかに遅れた隙(すき)を逃さなかった。「いけるな」。スピードを緩めることなくベースを蹴った。

 二塁には頭から滑り込んだ。好判断で二塁打とし、好機を演出した。小田選手は安打で三塁に進むと、1死一、三塁から岡山学芸館はさらに仕掛けた。8番・田井和寿選手の打席の4球目。バスターエンドランのサインが出た。田井選手はきっちり遊撃手の前に緩いゴロを転がすと、好スタートを切った小田選手は生還。好走塁を絡め、泥臭く先制点をもぎとった。

 小田選手が「3点取れば勝てる」と話すように、チームがこだわってきたのは少ない好機でしぶとく1点をもぎ取る野球だ。そのなかでも次の塁を狙う意識を徹底する。練習から常に実戦を想定した走塁を意識してきた。打球の行方や野手の捕球姿勢を瞬時に見極め、走塁の判断に生かす。さらに三塁に走者を置いた場面ではエンドランを仕掛けて緩いゴロを狙い、確実に生還する練習にも取り組んできたという。

 二回の攻撃はまさに磨いてきた策が凝縮されていた。田井選手は「今までやってきたことだからこそ変わらずできた」と大舞台で発揮できた手応えを振り返った。

 1回戦では犠飛で奪った1点を2人の投手が守り抜き、2回戦も背番号11の丹羽知則投手が完封した。しぶとく得点を奪い、投手陣を中心に守り抜く。佐藤貴博監督が掲げる「とにかく貪欲に泥臭く、1点をもぎ取っていく」という野球を体現し、甲子園初となる2勝目を挙げた。【牧野大輔】