木更津総合・井上陸の豪快フルスイングに、柳田悠岐の姿が重なった【夏の甲子園ピカイチ選手・大会4日目】

AI要約

木更津総合の井上陸内野手は、高校野球選手権でスケールの大きい打者として注目を集めている。

腰の据わったスイングや迫力ある打撃で、将来の成長が期待されている。

井上のポテンシャルはまだまだ開花途中であり、柳田悠岐を彷彿とさせるスイングスタイルが注目を集めている。

木更津総合・井上陸の豪快フルスイングに、柳田悠岐の姿が重なった【夏の甲子園ピカイチ選手・大会4日目】

第106回全国高校野球選手権4日目、1回戦4試合が行われた10日、スケールの大きい打者を見つけた。第2試合で登場した木更津総合(千葉)の4番・井上 陸内野手(3年)。打席で構えた時から「違う」ものを感じた。

神村学園(鹿児島)の左腕エース、今村 拓未投手(3年)に2三振を喫したが、空振りするスイングにも、素質の高さが垣間見られた。

腰の据わったいいスイングだった。空振り三振したスイングはともに当てに行ったスイングで、追い込まれるまでのスイングは、ほれぼれする。鋭さ、力強さが他と抜けているように思えた。井上本人も「最初からフルスイングをしたほうが悔いはない。そしてフルスイングをしたほうが、自分の打撃ができるので心がけています」と積極的なスイングに自信をもっていた。

6回の3打席目、腰の据わったいい打撃で適時二塁打を放った。会心の当たりではあったが、彼のポテンシャルはまだまだこんなものではないと思う。千葉大会の中央学院戦で3ランを放って「自分の打撃スタイルに自信を持ちました」と一皮むけているようだが、まだまだ本塁打を量産できる素質があると思う。

そのスイングの豪快さで、勝手ながらソフトバンクの柳田 悠岐外野手(広島商出身)を思い出した。上半身の強さもさることながら、下半身、特に太ももの強さが柳田のたぐいまれなフルスイングを支えていると言われている。井上の腰の据わったスイングを見ると、ますます柳田に思えてくる。

183センチ、80キロ。打席でキリッと構える姿は、均整の取れた体格を思わせ、体全体のパワーを感じる。構えただけで存在感を見せる打者はそういない。今後については「投手をやるか、野手をやるか分かりませんが、与えられたところで一生懸命やって大学野球でも活躍したい」と意気込んでいた。必ず大きく育つ選手だと強く思う。

◆井上 陸(いのうえ・りく)

2006年8月21日生まれ。小2の時、国分寺エンゼルスで野球をはじめ、中学時代は千葉シニアに所属。主に投手と一塁手として活躍し、小学時代は千葉ロッテマリーンズジュニアに選ばれ、中学時代には東関東選抜メンバーに入った。木更津総合では1年春からベンチ入り。高校通算25本塁打(公式戦3本)。50メートル走6秒8、遠投100メートル。左投げ左打ち。