【宏太’Sチェック】J1札幌 選手起用は「食材の良さだけではなく、鮮度にもこだわって」

AI要約

福岡は勝ち点3を取る必要がある状況で札幌と2-2の引き分けに持ち込んだ。宮沢のプレーは試合勘に乏しく、選手起用にも課題があった。田中克や武蔵の活躍がチームに光をもたらした。

田中克はスルーパスを狙うプレースタイルで相手に積極的に向かい、武蔵も前回の失敗を払拭してPKを成功させた。

試合中の課題や声援の大きさから、福岡は今後の戦いに勢いをつけることができる。

【宏太’Sチェック】J1札幌 選手起用は「食材の良さだけではなく、鮮度にもこだわって」

◇明治安田J1リーグ 第26節 札幌2-2福岡(10日・プレド)

 勝ち点3を取らなきゃダメな状況の中、何とか首の皮1枚つながったといえる福岡戦だった。前半14分にPKで先制されたが、ファウルをした宮沢は、試合勘がまだまだだなという印象を試合開始から持っていた。後半13分に交代となったが、J1では90分走り抜ける選手じゃないと厳しい。ここまでの選手起用を振り返っても、先発で出せる土台に乗ってから使うという部分に甘さがあったから、こういう成績になっている。食材の良さだけではなく、鮮度にもこだわって使わないと。

 同点弾を決めた田中克は、パスの出しどころも含め、本当に素晴らしいものを持っている。この試合でも多く見られたが、相手から簡単にゴールへ向かわれることの要因は、ボールの取られ方。後ろへ下げた時にミスが出たり、クロスを上げられずに切り替えそうとした時などに奪われるから、悪い態勢が多く、遅れた対応になる。ただ田中克は常に前を向いてのスルーパスを狙うから、仮に通らなくても自分で守備に行ける。彼がリーグ戦でも結果を出したことは、札幌にとっての光になると思う。

 一時同点とするPKを決めた武蔵にも決意が感じられた。1か月前の神戸戦でPKを外した。調子のいい時はどこに蹴っても入る感覚になるものだが、前回のシーンが頭にあるから、ネガティブな感情もあっただろう。それを払拭(ふっしょく)できたのは、本人の強さもそうだが、2万4000人を超える声援があったから。タフな戦いが続くが、最初の安い失点から勝ち点1に持っていけたことを、大きな後押しも味方にして、今後につなげてほしい。(吉原 宏太、1996~99年札幌FW)