直球に的、好左腕攻略 6年ぶり栄冠へ、まず1勝―高校野球・大阪桐蔭

AI要約

大阪桐蔭と興南の激突する1回戦で、左打者勢揃いの大阪桐蔭がエース左腕田崎を攻略し3点を奪う展開となった。

大阪桐蔭は強力な直球とスライダーに苦しみながらも、選手が共有した狙いを実践し、一回の好機を逃さずランを重ねる。

選手たちは左打者で左投手を打てないという西谷監督の言葉を胸に、左投手への対策を練り、最終的には無失点で勝利を収める。

 春夏連覇の経験を持つ両校が激突した1回戦屈指の好カード。

 1番から5番まで左打者が並ぶ大阪桐蔭にとって、興南のエース左腕田崎をどう攻略するかが、一つのカギだった。西谷監督の「攻めて、思い切りいこう」という指示を選手が見事に実践した。

 140キロを超える直球と切れ味鋭いスライダーに苦しみ、一回と二回は三者凡退。「真っすぐが強い。変化球はできるだけ捨てて、真っすぐ狙いにしよう」(吉田)と選手間で共有。それが三回に奏功した。安打と四球で1死一、二塁の好機をつくり、打席に立ったのは1番吉田。甘く入って来た直球を逃さず、右中間を深々と破る2点三塁打を放った。続く宮本楽も「真っすぐ一本で狙っていた」。初球を中堅にはじき返し、3点目を奪った。

 西谷監督は「左打者で左投手を打てないと、高校を出たらすぐに代えられる。上で通用しない」と口酸っぱく選手に伝えている。大阪大会では左腕を打ちあぐねる場面が目立った。その危機感から、宮本楽は左投手の外角に逃げる球を見極める練習に取り組んだ。

 無失策で零封勝ち。中堅の守備でもダイビングキャッチでチームを救った吉田は「しっかり貢献できた。次につなげることができてうれしい」。6年ぶりの栄冠に向けて、まずは最初の山を越えた。