【広島】「平和に野球ができる」帰ってきたGキラー末包昇大7号「全部行こうと」感謝と勝利届ける

AI要約

末包昇大外野手が45日ぶりに1軍復帰し、7号ソロを含むマルチ安打を記録した。8回にも二塁打を放ち、長打力を示す。

広島は今季最長の7連勝となる9連戦初戦を制し、原爆の日に広島に勝利をもたらした。

新井監督は勝利に安堵し、平和を感じながら野球ができたことを喜んだ。

【広島】「平和に野球ができる」帰ってきたGキラー末包昇大7号「全部行こうと」感謝と勝利届ける

<巨人0-5広島>◇6日◇東京ドーム

 復帰祝いだ。広島末包昇大外野手(28)が、45日ぶりに1軍の舞台に帰ってきた巨人戦で、7号ソロを含むマルチ安打を記録した。3点リードの6回。前打者坂倉のソロに続き、巨人先発山崎伊の初球を左翼席中段に運んだ。8回にも二塁打を放ち、持ち前の長打力を見せつけた。今季最長連勝を7に伸ばし、9連戦初戦を白星発進。広島にとって特別な1日に、東京から勝利を届けた。

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 末包は反射的に振り出していた。6回。前打者坂倉のソロでリードを4点に広げた直後だ。山崎伊の浮いた初球を思い切り振り抜いた。一塁へ確信歩きする、完璧な1発。真っ赤に染まる左翼席中段に白球が消えるのを確認すると、静まり返る敵地のダイヤモンドを1周した。帰ってきたGキラーのバットが、相手の反撃意欲を消沈させた。

 「ゾーンで行けると思ったら全部行こうと思っていた。それくらいでいければ、今後のやりようが見える。見て見てだと自分のバッティングがどうか分からなくなるので、まずはしっかり振っていくことができて良かったです」

 左太もも裏肉離れを発症した6月22日中日戦以来の1軍の舞台だった。バットを振ることで、調整していった。1回2死一、三塁で迎えた復帰初打席から、すべて振った。空振り、ファウル、右飛。4回2死からの第2打席はファウルの後、三ゴロに終わった。見送った球は1球もない。覚悟を決めた積極性が、失投を見逃すわけがなかった。

 8回も、2番手平内の初球を捉えて右中間へ二塁打を放った。「心の準備はできていた。久しぶりだったので緊張はありましたけど、その中でもどんどん振っていけたので良かった」。昨季巨人戦打率3割4分4厘で6本塁打。今季も13打数6安打2本塁打と、Gキラーぶりは健在だ。

 今季最長の7連勝とし、9連戦を白星発進した。この日は、原爆が投下されてから79年の「原爆の日」だった。広島出身の新井監督は「今日1日、平和に野球ができることに感謝しながらグラウンドに立っていました。そういう日に勝てて良かったと思います」と広島に勝利を届けることができて安堵(あんど)した。【前原淳】