福部真子「磨き上げた“体脂肪率7%”フィジカル」田中佑美「高校時代は宝塚志望…バレエ仕込みの強体幹」“史上最速”女子ハードル勢が挑むパリ五輪

AI要約

福部真子がオールスターナイト陸上で日本新記録を打ち立てた。

女子ハードル種目のレベルが上がり、多くの選手が12秒台に突入したことが要因。

福部は食事制限やトレーニングでフィジカルを鍛え上げ、日本記録を達成した。

福部真子「磨き上げた“体脂肪率7%”フィジカル」田中佑美「高校時代は宝塚志望…バレエ仕込みの強体幹」“史上最速”女子ハードル勢が挑むパリ五輪

 7月20日、神奈川県で行われたオールスターナイト陸上女子100mハードルで、パリ五輪日本代表の福部真子(日本建設工業)が12秒69の日本新記録をマークした。このタイムは前回の東京五輪であれば決勝まであと0.02秒という高水準のタイムでもある。現在、日本女子短距離種目の多くが世界への壁に阻まれている中で、福部に加え田中佑美(富士通)の2選手をパリに送り込むハードル種目。一時は「世界から最も遠い」とまで言われた種目の躍進の要因は、どこにあったのだろうか。<女子編/男子編を読む>

「女子に関して言えば、やはり寺田(明日香、ジャパンクリエイト)選手が2019年に日本人選手としてはじめて12秒台に突入して、それを多くの選手が追いかけた。結果的に12秒台の選手が増え、そもそも国内レースのレベルが上がったことが非常に大きかったと思います」

 日本陸連で強化委員会ディレクターとしてジュニア選手の育成に携わり、自身も2度、110mハードル日本王者に輝いた経験がある浜松市立高の杉井将彦氏はこう解説する。

 ひとり壁を越えた選手が出てきても、そこに追随する選手が出てこないと競技そのものの記録水準は上がっていかない。その点では女子ハードルでは寺田以降、実に5人の選手が次々と12秒台の大台に突入していった。

 その筆頭が今回、日本新記録をマークした福部だ。

 中学時代には四種競技で日本一に輝き、広島皆実高時代には100mハードルでインターハイ3連覇。「天才少女」として常に同世代の先頭を走り続けてきた。だが、日体大に進学して以降はスランプに苦しんだ時期もあり、2020年以降は練習拠点を地元・広島に移して再スタートを切っていた。

 高校時代からジュニアの代表合宿などで福部を指導してきた杉井氏もこう振り返る。

「高校1年生からずっとハードル種目で世代のトップを走り続けていましたから、追われるプレッシャーは凄かったと思います。そんな中でも素直に、いろんなことを吸収しようと取り組める選手でした」

 今季の福部で特に目についたのが、その鍛え上げられたフィジカルだ。

 徹底した食事制限とウエイトトレーニングで体脂肪率を7%まで落とし、初めて日本記録を出した2022年以上の仕上がりになっていたという。体脂肪率が落ちた一方で、体重は2キロ増。それだけ筋肉量が増えていた。