「A代表に5、6人行ける」　藤田、小久保に加えて日本代表OBが“名指し”で期待した逸材は？【見解】

　パリ五輪男子サッカー競技は現地時間7月30日、グループリーグの最終戦が行われ、大岩剛監督率いるU-23日本代表はイスラエル代表に1-0で勝利した。後半アディショナルタイムにFW細谷真大が決勝ゴールを挙げて、無傷の3連勝。D組を首位通過し、準々決勝でスペインとの対戦が決定した。日本代表OBのDF安田理大氏はグループリーグの活躍から「A代表に5、6人は行ける」と太鼓判を押した。（取材・構成＝FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞）

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「間違いなくここから日本代表に5、6人はいけると思う。ここから世界と戦って経験値を積んでいけば、A代表に入っていくというのを感じさせる」

　完全無傷の3連勝だった。グループリーグ最終戦のイスラエル戦、日本は前半7分に最終ラインの背後を突かれたが、GK小久保玲央ブライアンがファインセーブ。膠着状態が続くなか後半32分にはアクシデントが発生する。中盤で相手のファウルを受けたMF川﨑颯太が負傷し、チームドクターからプレー続行不可能の合図が。交代の用意をしていたFW細谷真大に加えて温存していたMF藤田譲瑠チマをピッチに送り込んだ。直後は相手の決定機に苦しみながらも守護神が好セーブを連発。すると、徐々に日本もペースを掴み始める。迎えた後半アディショナルタイム、FW佐藤恵允の右サイドからのラストパスを細谷が蹴り込んでゴール。エースの大会初得点で1-0の勝利を収めた日本は3戦全勝でD組を首位通過した。

　パラグアイ、マリ、イスラエルと難敵揃いの“死の組”を3連勝で突破。参加国で唯一のオーバーエイジ（OA）なしでも堂々の戦いぶりとなった。そのなかで、安田氏が挙げる「5、6人」とは誰なのか。

「藤田と小久保はもう説明なくても分かるはず。だからこの2人は絶対に入ると思うし、細谷はもうA代表経験もある。今日も活躍したし、期待できる。あと俺がめっちゃいいなと思っているのが関根（大輝）」

　イスラエル戦では出番がなかった21歳の関根だが、出場しなかったことで「序盤は結構キツかった。（大畑歩夢と）サイドバック（SB）の2人は外せないというのが分かったと思う」と指摘した。藤田、小久保とともに大岩ジャパンの“生命線”と言えるSB。元SBの安田氏だからこそ「インサイドを取ったり逆サイドの選手をフリーにさせたり……」と2人を称えた一方で「でも内野（貴史）は途中からすごく良くなっていた。徐々にフィットできていた。現地でしっかりトレーニング積んでいるなというのがよく分かった一戦だった」と層の厚さも実感。名前を挙げた4人以外には「調子のいい人やここからもっと活躍する選手が入ってきそう」と、“パリ経由A代表行き”に期待を寄せた。

［PROFILE］

安田理大（やすだ・みちひろ）／1987年生まれ、兵庫県神戸市出身。ガンバ大阪のアカデミー出身で2006年にトップチーム昇格。プロ1年目からデビューを飾り、2年目の2007年ではナビスコカップの「ニューヒーロー賞」を受賞。大会MVPも獲得した。2008年には北京五輪メンバーに選出。2011年からオランダ1部フィテッセでプレー。その後はジュビロ磐田、サガン鳥栖、ヴィッセル神戸、名古屋グランパスと国内を渡り歩き、韓国を経て、アルビレックス新潟、ジェフユナイテッド千葉、松本山雅FCとさまざまなクラブを経験。日本代表としては7試合に出場し1ゴールをマークした。