渡辺一平が男子200メートル平泳ぎで6位 花車優は5位【パリ五輪】

AI要約

元世界記録保持者の渡辺一平が、競泳男子200メートル平泳ぎで6位入賞。

東京五輪代表落選後、負傷や不振に苦しんだ渡辺一平が復調し、再び世界舞台で力強く泳ぐ。

師弟の絆と熱意が伝わる渡辺一平の復活劇が、パリ五輪で見られた。

渡辺一平が男子200メートル平泳ぎで6位 花車優は5位【パリ五輪】

 ◆パリ五輪・競泳男子200メートル平泳ぎ(30日、ラデファンス・アリーナ)

 この種目の元世界記録保持者の渡辺一平(トヨタ自動車)=大分県津久見市出身=が決勝に臨み、2分8秒83で6位となった。花車優(イトマン東進)は5位だった。

 過去には北島康介さんが連覇するなどした日本の〝お家芸〟種目を復活させることが悲願だったスイマーが、花の都で力強く泳ぎ切った。

 2016年のリオデジャネイロ五輪に出場して、17年には世界新記録を樹立した。喜びに満ちた順調な歩みが一転したのは前回の東京五輪だった。代表選考会で力を出せず無念の落選を喫した。「今までの人生でも一番、頑張った時間だったけど…。タイム、順位、全てにおいてふがいない」とプールサイドでタオルを顔に当て、座り込んだまましばらく動けなかった。

 東京五輪の代表落選後は左膝などの負傷が相次ぎ不振に陥った。「この先、水泳を続けるべきか…」と考え込んだ。一昨年から立石諒を育てた高城直基コーチに師事し復調のきっかけをつかんだ。193センチの長身で天性の水をつかむ能力を持つ。高城コーチは「200メートルの特化型。右に出る人がいない。世界でもトップクラス」と絶賛する。練習中に渡辺のマイナス思考が出ると、前向きな言葉で奮い立たせた。

 技術面でも、大きな負荷がある低酸素プールなどで効率的な泳法を模索した。得意の伸びのある泳ぎが磨かれ、福岡で開催された昨年の世界選手権で代表復帰。「高城先生の下で最後の水泳人生を、と思っている」と語るほどの固い師弟の絆がパリで見られた。