【パリ五輪】サニブラウン「世界一しか興味がない」2度目の五輪で本領発揮し、92年ぶりの快挙なるか

AI要約

サニブラウン・アブデル・ハキームは、男子100mで世界一を目指している。昨年の成績や改善点、パリ五輪への期待が語られている。

好調な要因はスタートからの加速にあり、練習環境やメンタル面を克服すれば9秒8台も可能性がある。

吉岡隆徳以来92年ぶりに五輪100m決勝に立つ可能性があるが、東京五輪では腰のヘルニアに悩まされていた。

【パリ五輪】サニブラウン「世界一しか興味がない」2度目の五輪で本領発揮し、92年ぶりの快挙なるか

男子100mに出場するサニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ)は常々こう言っている。

「世界一しか興味がない」

100mで22年オレゴン世界選手権は7位、昨年のブダペスト世界選手権では6位。世界一を公言して当たり前だろう。もっと言えば、高校時代に18歳未満の世界最速の称号を手にしているのだから。

昨シーズン後から「ケガなく順調にできた」。2サイクル、大きな故障なく過ごすのは久しぶりのこと。今季屋外初戦で10秒02(+0.5)を叩き出すと、5月末にはダイヤモンドリーグ(DL)オスロ大会で9秒99(+0.4)をマークし、パリ五輪参加標準記録を突破して早期内定を得た。

好調の要因はスタートからの加速にある。長く課題としていた局面だが、昨年11月のある日、スターティングブロックを使った練習で脚の運びで「これだ」と感じた瞬間があったという。その“自動化”とともに、次は「記憶があまりない」という40~60m付近の部分で「リラックスしてしまう」ところを改善できれば、9秒8台が見えてくる。

「最後はメンタル」

世界トップの練習環境に身を置く者だけがたどり着く境地。日本人で五輪の100m決勝に立てば、1932年ロス五輪6位だった“暁の超特急”こと吉岡隆徳以来、実に92年ぶりだ。

3年前の地元開催だった東京五輪は200mで出場したが、腰のヘルニアからくる神経痛に悩まされて走り切るのが精一杯で「参加賞をもらっただけ」。再びの世界一へ。サニブラウンが花の都に立つ。

パリ五輪の陸上競技は8月1日から11日まで行われる。男子100mは日本時間8月3日18時45分から予選、4日深夜3時に準決勝、4時50分に決勝が行われる。