オリックス・山田修義は〝縁の下の力持ち〟 ワンポイントも回またぎもこなす万能左腕が目指す先は

AI要約

オリックス・山田修義投手はブルペンを支える存在で、堅実な仕事ぶりが光る。経験を生かし、安定感のある投球でチームに貢献している。

不振で2軍降格した期間をプラスに転じ、投球フォームの見直しや直球の力強さの向上を果たした。その成果は球速のアップや打者を抑える被打率の改善に現れている。

山田は自己最多の投球機会を目指し、シーズンハイの50試合登板を目標に掲げている。タフネスな姿勢でチームを支えている。

オリックス・山田修義は〝縁の下の力持ち〟 ワンポイントも回またぎもこなす万能左腕が目指す先は

【球界ここだけの話】

目立たずとも任務を完璧に遂行する姿はまるで「必殺仕事人」だ。オリックス・山田修義投手(32)がブルペンの屋台骨を支えている。

「マウンドに上がるときの気持ちはいつも一緒。どんな場面でも一人一人、一球一球、丁寧に投げる意識です」

福井・敦賀気比高から2010年にドラフト3位で入団し、今年で15年目。今季はここまで27試合に登板し1勝0敗、8ホールド、防御率2・52。成績もさることながら、タフな場面でマウンドに投入されても堅実な仕事ぶりを見せる32歳の貢献度は計り知れない。塁に走者を置いた状況でのワンポイント起用や、イニングまたぎもこなす。6月1日の中日戦(京セラ)から16試合連続無失点と安定感は抜群だ。

今年は4月21日に不振で2軍降格となったが、ファームでの再調整期間がプラスに働いた。昨季から取り組み続けているショートアーム(左腕を振り上げる動作をコンパクトにした投げ方)や投球フォームをもう一度見直したことで直球の力強さが増したという。

「スピードは今年の初めよりは出てきていると思うし、いい感覚です」

春先に比べて平均球速も1~2キロアップし、直球の被打率は・135。パワーアップしたストレートが打者を抑えられている大きな要因だ。

チームの救援防御率はリーグ2位の2・66を誇る(7月19日時点)。けがで離脱した平野佳、比嘉らベテランが2軍で調整中のなか、ブルペン最年長の左腕が背中で引っ張っている。

「リリーフは後ろにもいるので、自分の投球をしっかりするだけ」

そんな山田がこだわりを示すのが登板数だ。自己最多は2020年の48試合。昨季はけがで出遅れた影響もあり32試合にとどまっただけに、今年はキャリアハイを更新する50試合を目標に掲げる。

「一試合一試合、集中して投げた結果、50試合までいったらいい」

シーズンの戦いが佳境に入るこれからの季節こそ、タフネス左腕が輝きを増すときだ。(織原祥平)