【GLORY】原口健飛の世界王座奪取ならず、ペッチが大差で勝利V8

AI要約

GLORY 93が開催され、GLORY世界フェザー級タイトルマッチが行われた。ペッチが8度目の防衛に成功し、原口健飛を破った。

ペットパノムルン・キャットムー9は、タイのサウスポー選手であり、GLORY世界フェザー級王者。様々なタイトルを獲得し、強豪選手との戦いで実績を積んできた。

原口健飛は日本の選手であり、空手とボクシング出身。RISE世界スーパーライト級初代王者などの実績を持つが、今回はペッチに敗れGLORY世界王座奪取を果たせなかった。

【GLORY】原口健飛の世界王座奪取ならず、ペッチが大差で勝利V8

GLORY 93

2024年7月20日(土・現地時間)オランダ・ロッテルダムTopsportcentrum

▼コー・メイン GLORY世界フェザー級タイトルマッチ 3分5R

〇ペッチ(タイ/王者)

判定5-0 ※50-46×2、49-45×3

×原口健飛(FASCINATE FIGHT TEAM/挑戦者)

※ペッチが8度目の防衛に成功。

 ペッチことペットパノムルン・キャットムー9はサウスポーで、2011年にプロムエタイ協会バンタム級王者、2013年にスーパーフェザー級王者となって2階級制覇。2015年にはトーナメント戦の『トヨタ・ムエマラソン』-64kg級で優勝、2016年にWMC世界ライト級王者となった。セクサン、サムエー、ペットモラコット、チャムアックトーンらスター選手としのぎを削って勝利を収め、2016年8月からはGLORYに参戦。2018年9月に ロビン・ファン・ロスマレンに挑戦し、判定勝ちでGLORY世界フェザー級王座を奪取した。

 2018年にはGLORYの“ノックアウト・オブ・ザ・イヤー”に輝く。2021年11月にRISEに初来日を果たして原口健飛に勝利すると、2022年8月の原口との再戦を制してRISE世界スーパーライト級(-65kg)初代王者との二冠王に。12月の来日では山田洸誓に勝利。2023年3月には同時二階級制覇を狙い世界ライト級王者ティジャニ・ベスタティに挑戦したが、4RにKOで敗れた。GLORY世界王座は10月にダビド・メヒアの挑戦を退け、7度目の防衛に成功しているが、RISE世界王座は2023年12月の初防衛戦でチャド・コリンズに敗れて失った。戦績は170勝(27KO)40敗3分。

 原口は空手出身で、高校からはボクシングを始めて17歳でプロデビューし、2016年西日本新人王決定トーナメントで準決勝進出。2017年にキックボクシングでプロデビューすると、わずか2戦目でACCELフェザー級王者となり、翌年(2018年)のRoad to RIZINキックトーナメントで優勝。2020年1月にRISEライト級王座に就き、2020年10月には「DEAD OR ALIVE 2020 -63kgトーナメント」で優勝。

 2022年6月の『THE MATCH』では第5代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王者の山崎秀晃に2R0分33秒、TKO勝ち。しかし、9月のペットパノムルンとの再戦では延長戦で敗れRISE世界スーパーライト級(-65kg)王座を逃した。12月に元GLORYフェザー級王者のセルゲイ・アダムチャックに圧勝すると、2023年3月にはジェレミー・モンテーリョをKOしてISKA世界王座を獲得。7月にはGLORY推薦選手のアンバー・ボイナザロフを初回KO、12月にはGLORY世界フェザー級1位エイブラハム・ヴィダレスも右フックでKOした。戦績は26勝(17KO)3敗1分。

 前述の通り、両者は2021年と2022年にRISEで対戦しており、いずれもペットパノムルンが辛くも判定勝ちを収めている。3度目の決着戦で、原口は日本人初のGLORY世界王座奪取の快挙を達成することが出来るか。

 1R、サウスポーの原口は左カーフを連発、ペッチも右ローを蹴り返す。右の三日月も蹴る原口に同じくサウスポーのペッチがジャブから左ロー、左ミドル。ガードを下げる原口にペッチが左フックを打つ。ペッチはジャブを当てていき、右ミドル。原口は右の三日月と左カーフ。原口の右フックでペッチが尻もちをつく。ペッチが組んでのヒザを蹴ると原口もすぐにヒザ。左右フックを当てるペッチに原口は飛び込んでの左ストレート。オープンスコアは10-9×3がペッチ、原口が10-9×2。

 2R、顔面前蹴りをヒットさせた原口にペッチは組んでのヒザ、離れると前蹴り。ペッチは右カーフを蹴らせないためか前へ出て行き、前蹴りと組んでのヒザを突き刺す。距離を詰めるペッチがパンチから組んでのヒザでペースを握り始める。原口はペッチの首相撲を嫌がるような素振りを見せるため印象が悪い。さらに左ストレートをもらってしまう原口。ペッチはどんどん組んでいきヒザを突き刺す。原口は左フックを打つが消耗しているのは明らか。ペッチは原口のフックをブロックして組んでのヒザを突き刺す。OPスコアは10-9×5でペッチ。

 3R、原口は前蹴り、左カーフから左フックを狙うが空振り。ペッチはこのラウンドもパンチから接近して頭を抱えてのヒザ蹴り。ペッチの前蹴りも嫌がる原口。続く組んでのヒザ蹴りには身体を丸めてしまう。ペッチが細かいパンチから組んでのヒザを突き上げ、離れても前蹴り。原口はフックを放つが力がなく、ペッチにブロックされる。原口は左カーフを蹴り続け、ワンツーをヒットさせる。ペースを取り戻しつつあるかのような原口だが、ペッチの首相撲に頭を下げさせられて印象が悪い。OPスコアは10-9×5でペッチ。

 4R、ペッチは右ミドルと右前蹴り、原口の左カーフには強い左ローを蹴る。ペッチの左ミドルの音に場内からどよめきが起こる。原口はハイキック、顔面前蹴りを放ち、右ストレートを繰り出すが、ペッチに捕まってヒザをもらう。捕まると頭を深く下げられてしまう原口。飛びヒザ蹴りを放つも起死回生の一撃にはならない。左ミドルを蹴っていくペッチに原口は右フック。右ミドルにはオーソから右ストレートを打つ。ポイントリードしているペッチは早くも逃げ切り態勢に。OPスコアはまたも10-9×5でペッチ。

 5R、原口は左フック、顔面前蹴り、飛びヒザで逆転を狙うが、ペッチは崩れない。右ミドルを蹴り、首相撲に持ち込むと原口の頭を下げさせてヒザを蹴る。強い左ミドルを蹴るペッチに、原口は一発を狙うつもりかペッチを見る。残り1分、ペッチは逃げ切り態勢に。左ミドルを蹴り、原口が近付くと組んでしまう。原口は左ハイを蹴るも不発。前へ出る原口だが守りに入ったペッチに決定打を与えることは出来ず、試合終了のゴングを聞いた。

 判定は5-0でペッチが大差をつけての勝利。原口に3度目の黒星を与えた。

 ペッチは「また勝つことが出来て嬉しい。健飛、オランダまで来てくれてありがとう。彼は経験を積んで強くなっている。最高に激しい試合だった。このベルトをどれだけ防衛できるか試してみたい」と勝利者インタビューで語った。