桐光学園・森駿太は涙止まらず「打ってこそ、キャプテン」背負い続けた重圧も肥やしに/神奈川

AI要約

横浜に敗北し、準々決勝で涙する桐光学園の主将森駿太。打席での空振り三振やキャプテンの重圧に苦しみながらも、チームのために自己犠牲を果たそうとする姿が描かれる。

結果としては敗れたものの、森駿太はプロ野球界を志す意気込みを持っており、チームや応援してくれた人々に報いるため、成長していく決意を示す。

今回の敗戦を背負いつつも、桐光学園の主将は未来への希望を抱いており、自身の挫折を力に変える覚悟を決める。

桐光学園・森駿太は涙止まらず「打ってこそ、キャプテン」背負い続けた重圧も肥やしに/神奈川

<高校野球神奈川大会:桐光学園2-9横浜>◇20日◇準々決勝◇サーティーフォー保土ケ谷球場

 張り詰めたものが切れたのか。横浜相手に中盤に攻め込んだが、逆に6失点し、結果としてはコールド負けにまで至った。

 主将の森駿太内野手(3年)は187センチの大きな体を縮め、地にひざを付けた。

 「やり残したことはないんですけど、結果が物語っているので。気持ちが足りなかったのかなって。このためにやってきたんで」

 涙が止まらない。鼻を何度もすする。高校最後の打席は走者を2人置いての空振り三振。高めのつり球に手が出た。気負ったか。

 「気負っても打ってこそ、キャプテンだと思うので」

 主将の重圧とも戦ってきた。補欠校のまま終わった、今春のセンバツ甲子園。ラストチャンスの夏。プロ注目選手として「自分が打たなきゃ」と意気込んだが、周囲にもそれが「重圧」と映るほど、結果だけみても苦しんだ。

 背が高く、背筋もしっかりした高校生。でも内面は泥くさい。キャプテン像は自己犠牲にあふれる。

 「全員が自分のせいにしてもらってもいいので、そのためのキャプテンというか、そのための掃きだめ役というか。みんなには責任背負わせたくない。でも重圧をカバーしてくれる仲間がいて、今度は自分が返す番でした。それが自分できなかった自分にカツを入れてやりたいです」

 準々決勝敗退の事実は変わらない。涙をふいて次へ。高校通算48本塁打の大型内野手は、そのスイングの強さを評価され、自身もプロ野球界を志す。

 「一度決めたことは最後までやり遂げるのはチームの目標でもあり、自分の目標でもあるので。支えてきてくれた人、後押ししてきてくれた人のためにも、ここからプロにふさわしい人間、応援される人間になれるように」

 少し背中は軽くなる。背負い続けてきたものだって、近未来の1発への大いなる肥やしだ。【金子真仁】