【虎になれ】完敗もある 混戦の中、連敗しないことが重要だ 岡田阪神

AI要約

高橋宏斗に抑えられた阪神は、中日に敗れて連勝が止まる。岡田監督は勝負事について貯金を積み上げる重要性を説く。

岡田監督は前半戦の残り試合に向け、1つでも2つでも貯金を重ねることを選手たちに話す。

連勝を続けずにコツコツと勝ち点を稼ぐことが阪神の成功の秘訣。連敗を避けることが重要だ。

【虎になれ】完敗もある 混戦の中、連敗しないことが重要だ 岡田阪神

 あっさりした敗戦だ。日本を代表する右腕の高橋宏斗に8回まで抑えられ、最後は抑えのマルティネスが通算150セーブをマーク。中日のいいところばかりが目立った試合だ。阪神打線はなんとか3安打を放ったものの今季11度目の0封負け。粘った先発・村上頌樹を援護できず、敵地で引き立て役に終わった。

 これで阪神の連勝は「4」でストップ。虎党はがっくり肩を落とす結果だが、正直、あまりダメージは感じないような気がしている。なんというか、指揮官・岡田彰布風に言わせてもらえば「そら、負けるよ、そんなん」という感じだ。

 以前にも書いたが岡田には勝負についての持論がある。「勝負事は勝ち続けたらあかん」というものだ。大きな連勝をすれば、大きな連敗も起こってしまう。連勝が続けば選手起用で無理をしたり、それが止まったときにマイナスに作用すると考えるからだ。勝ったり負けたりし、コツコツ貯金を積み上げていくことが重要という思考である。

 次の節目である球宴ブレークまで、いわゆる前半戦はこの中日戦を含めて残り3カードになった。名古屋への移動日となった前日11日、岡田は虎番キャップたちにこんな話をしていた。

 「まあ、9試合やから。1個2個、貯金つくれたらエエんちゃう」-。その言葉通り、1個なら貯金5、2個なら貯金6で前半戦終了となる。例年ならともかく、大混戦が続く今季のセ・リーグならまずまずと言える数字ではないか。「貯金6」なら前回の節目だった交流戦前と同じだ。

 敗戦後、11三振を記録した打線やめずらしく1イニングに3長打を浴びた村上にさえない表情だった岡田。だが、もちろん、こういう状況も想定しているはず。そう簡単に勝ち続けることはできないのは誰よりも知っているのだ。

 繰り返すが9試合で貯金1か2をかせぐなら、5勝4敗以上の結果が必要になる。そのためには当然ながら連敗しないことが大事だ。今季、阪神が苦しみながらも貯金生活をキープできている1つの理由は連敗が少ないことだ。

 今季は5連敗がワースト。交流戦前の巨人戦から交流戦最初のロッテ戦の頃だ。連勝は「7」が最多。今回の4連勝はそれに次ぐものだった。勝ち過ぎずにコツコツと-。そこからすればこの日はブルペン陣を休ませた結果を歓迎し、次へ向かうことが重要だ。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)