【東京V】山田楓喜、五輪バックアップメンバーに「1人欠場したら呼びたいのはオレやと思うんで」

AI要約

山田楓喜選手が湘南ベルマーレ戦に向けてポジティブシンキングを貫く姿勢を示し、退場についての反省やチームへの感謝を述べた。

五輪代表メンバーには入れずバックアップとなったことに対する驚きやポジティブな考え方、そしてプロ選手としての目標や未来について語る山田選手の姿勢が伝えられた。

リーグ戦出場停止の中、天皇杯では全力を尽くして勝利を目指す山田選手の強い意志と決意が描かれた。

【東京V】山田楓喜、五輪バックアップメンバーに「1人欠場したら呼びたいのはオレやと思うんで」

 東京ヴェルディMF山田楓喜(22)が、持ち前のポジティブ思考で10日の天皇杯3回戦・湘南ベルマーレ戦(レモンガスS)に全力をぶつける。

 8日、稲城市のクラブハウスで取材に応じた。注目されたパリオリンピック(五輪)メンバーは18人から漏れ、バックアップメンバーとなった。直後に行われた6日のセレッソ大阪戦(1-1)では先発出場したが、前半にスライディングタックルが相手選手の足に入り一発退場。苦い週末だっただろうと心中を察するところだが、猛暑で練習から上がってきた山田楓は大粒の汗を流しながら、すがすがしい表情を浮かべていた。

 「(C大阪には)握られながらもカウンターでチャンス作ったり、相手のウイークのポイント付けていたので、自分の退場で苦しくなったなと思います。反省していますし、相手選手にも当たっちゃったので、ケガさせてなくて良かったけど、すいませんと謝りました」

 サッカー人生で初の退場。ただ、持ち前のポジティブシンキングは全開だった。

 「レッドカード自体が初めてですけど、ポジティブに捉えたら、いい経験になりました。滑らず粘り強く、付いていっても良かった。チャレンジしたのは足には行ったけど、ボールに行こうとしたのは良かったし、これからも注意しながら。ベースは変えずにやっていきたい」

 ベンチに下がってからも「落ち込んでいてもしょうがない。仲間に声をかけることができることだし、退場した上でのポジティブなこと」と声をからした。数的不利になりながらも1-1の勝利に「勝ち点取れたのは良かったし、仲間に感謝です」

 そして五輪という1つの目標が半ば消えた。5月下旬から心身の不調に陥り、チームから離れて完全休養に入った。U-23日本代表の米国遠征にも参加できず、アピールする場を失ったことが響いた。だが、めげることなくこう話した。

 「バックアップメンバーに入ったというのは、逆に驚いています。直前で休む選択をして、(五輪に)行けたら良かったですけど。休む決断した時には1回省いていたので、このちょっとでも争いメンバーに入れたのは自分でもポジティブです」

 そして山田楓喜という人間らしく、こう続けた。

 「何か1人欠場したら、一番呼びたいのはオレやと思うんで。それの準備もしつつ、五輪行くのが目標でないので。この先30歳、35歳になってもプロフェッショナルの第一線でやっていくのが、そのプロフェッショナル目指せばいい。また、明日から練習やって、明後日の天皇杯で全力出し切ってチームが勝てるように努力するだけです。ポジティブに考えています。次は倒れるくらいやらないと許してもらえないので」

 そう言って笑顔を見せた。

 リーグ戦は出場停止となるが、主管の違う天皇杯は出場できる。J1昇格したばかりだが、下克上を起こそうと誓う。湘南戦は負けられない戦いとなる。

 「(湘南は)インテンシティーでも高いチームですし、それを上回れないと勝てない1つでも上に行くのを目指しているので、今まで積み上げてきたものをベースとして、自分たちのサッカーしながら取れるようにしたい」

 過去にとらわれず、常に先を見て戦っていく。シンプルに言えば、今を生きる。その左足で自身の未来を切り拓いていく所存だ。【佐藤隆志】