横浜隼人・清水駿斗、けがを乗り越え見事な完封劇 「恩返しできるようなプレーをしていきたい」/神奈川大会

AI要約

第106回全国高校野球選手権大会神奈川大会で、ノーシードの横浜隼人が横浜平沼を9ー0で破り、2回戦に進出した。清水駿斗投手が見事な完封を達成し、チームの勝利に貢献した。

春の大会でのけがから復活した清水は、五回や六回のピンチを乗り越えるなど安定したピッチングを見せた。清水自身も成長を感じ、甲子園出場に向けて意気込んでいる。

母親や家族のサポートもあり、清水は自らの活躍で恩返ししたいと語っている。次の試合に向けて、横浜隼人はさらなる快進撃を目指す。

横浜隼人・清水駿斗、けがを乗り越え見事な完封劇 「恩返しできるようなプレーをしていきたい」/神奈川大会

第106回全国高校野球選手権大会神奈川大会(7日、横浜平沼0ー9横浜隼人=規定により七回コールド、サーティーフォー保土ケ谷)1回戦が行われ、ノーシードからの登場となった横浜隼人が横浜平沼に9ー0でコールド勝ちし2回戦に駒を進めた。先発した背番号10の清水駿斗(はやと)投手(3年)が7回4安打無失点3奪三振と快投。公式戦は昨年秋大会3回戦以来の登板であったが、鮮やかな完封劇でチームの勝利に貢献した。

試合開始時点で32度と猛烈な暑さとなった初戦。公式戦はけがの影響で昨秋以来の登板となった183センチ右腕の清水が見事な完封劇で先発起用に応えた。

「春大会はけがで出られなかった悔しさはあった。夏は絶対に自分が活躍するという思いでマウンドに上がった」

期する思いを胸に上がった夏のマウンド。一回から「強気の投球」をテーマに持ち前の直球で相手打線を翻弄。五回1死一、二塁のピンチでは後続を二者連続三振に斬って取った。21個目のアウトを取り公式戦では初完封となった背番号10は「最後の打者にもしっかり投げ切れて自信になった」と笑顔だった。

見事な完封劇を見せた裏には、大きな試練があった。今春県大会予選直前の3月中旬。沖縄遠征での練習試合でクロスプレーの際に相手選手と交錯し、左肘を負傷。全治3カ月の大けがを負ってしまった。大きな災難に見舞われた右腕だったが、くじけることなく夏に向けてフィジカル面の強化に着手。1日6食を食べることで冬から体重が6、7キロ増えた。「球の重みや出力が上がった」と自負する清水。成果はこの日の投球にも表れた。最大のピンチであった五回1死一、二塁と六回1死満塁の場面ではレベルアップした直球を投げ、「ギアが上がった真っすぐを投げることができて成長したなと思った」と手応えを口にした。

一塁側スタンドでは母の由起子さん(43)も愛息子の雄姿を観戦。家族としてケガに苦しんできた姿を見てきただけに「復活して背番号をもらえて家族としてもうれしい。(元気に投げている姿を見ると)泣けてきます」と感無量だった。一番近くで見守り、支えてくれる両親に対して清水は、「(両親には)色々な面で支えてもらったので感謝を伝えたい。もっと自分が投げて勝つ試合を増やしていきたい」と活躍を誓った。

2009年以来、15年ぶりの夏の甲子園出場へ。次戦は9日、鶴嶺との2回戦に臨む。高校球児が憧れる聖地に向けて右腕は「色々な方に支えてもらってここまで来ている。そういった方々の思いを背負って恩返しできるようなプレーをしていきたい」と意気込んだ。帰ってきた右腕とともに横浜隼人が神奈川に旋風を巻き起こす。(児嶋基)