天熊丸木、1年半ぶりリング復帰へ 再起の支えは3本柱「兄に会長として最初のベルトを届けたい ずっと2人でやってきたので」【ボクシング】

AI要約

ボクシングの日本スーパーウエルター級9位の天熊丸木凌介が1年半ぶりにリングに復帰し、5度目の日本タイトルを目指す。

引退を考えていたが、やり残したことがあるとして復帰を決意。最終章を迎えるボクシング人生。

再起の支えは新しい命、後輩への説得力、そしてボクシング一家としての誇り。兄弟の底力が試される。

天熊丸木、1年半ぶりリング復帰へ 再起の支えは3本柱「兄に会長として最初のベルトを届けたい ずっと2人でやってきたので」【ボクシング】

◇記者コラム「Free Talking」

 ボクシングの日本スーパーウエルター級9位の天熊丸木(てんゆうまるき)凌介(33)=天熊丸木=が、14日に愛知・刈谷市産業振興センターで行われるノンタイトル戦で1年半ぶりにリングに戻ってくる。目標は5度目の正直での日本タイトル。「最後の挑戦」と位置付け、ボクシング人生の最終章に踏み出す。

 試合決定を知らせるLINEのメッセージは正直だった。「(現役を)辞めるつもりでしたが、復帰します。まだまだやり残したことがたくさんあるので、もう一度、挑戦します」

 2022年7月の日本同級王座決定戦で引き分け。続く同年11月のWBOアジア太平洋、OPBF同級の2冠決定戦は6回TKO負け。そこから1年近く練習も中断し、トレーナーの立場でジムを支えたが、ドローが心に引っかかっていた。

 自己最長ブランクからの再起の支えは3本柱。まずは新しい命。昨年4月に第一子の長男・天剛ちゃんが誕生した。「ボクサーとしての姿を見せたい」。また、白星から遠ざかって3年近く。後輩のプロボクサーに勝つ姿を見せ、指導に説得力を持たせたい思いも強かった。

 そして、何よりボクシング一家としての誇り。父の丸木孝雄名誉会長は世界に挑戦し、兄の和也会長は元日本ランカー。幼少期の最初のボクシングは、和也会長とのごっこ遊びだった。

 「兄に会長として最初のベルトを届けたい。ずっと2人でやってきたので」。プロ通算28戦18勝(13KO)8敗2分け。傷ついても、また立ち上がる。丸木兄弟のボクシングの底力を見せる。 (ボクシング担当・志村拓)