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巨人の開幕投手にノーヒットノーランも…戸郷翔征が進化する秘密は“メジャー流”の仕上げ過ぎないキャンプにあり?「投げ込みは100球を超えない」
戸郷翔征投手が悔しい一発を浴びたものの、チームのサヨナラ勝ちに笑顔を見せる。
戸郷は開幕からの進化を感じさせ、スタッツも昨年を上回る成績を残している。
今季の戸郷は14先発中11回がQSを達成し、ハイQSも9回と安定したピッチングを見せている。
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悔やむのは一発を浴びたことだ。
6月28日の広島戦。巨人・戸郷翔征投手は今季14度目の先発マウンドに上がり、7回を1失点。勝ち投手の権利を手にしてマウンドを降りたが、9回にクローザーのアルベルト・バルドナード投手の暴投で同点に追いつかれて白星を逃がしている。
「不用意な一発もあり、反省もありながらですけど、チームが勝った。それが一番、良かったと思います」
延長10回に飛び出した丸佳浩外野手の本塁打でのサヨナラ勝ちに、試合後の戸郷はこう笑顔を見せた。
今季7勝目を目の前でスルリと逃し、目標にしていたオールスター前の2桁10勝は難しくなった。それでも開幕投手を任され、エースとして始まった今季の戸郷の進化ぶりには、目を見張るものがある。
「ここまでを振り返ると、自分なりに内容のあるピッチングはできているな、というのはありますね」
自身初の開幕投手を任された3月29日の阪神戦を白星スタート。史上稀に見る“投高打低現象”もあり、好投を続けながらも3月、4月は1勝1敗となかなか勝ち星に恵まれなかった。その中で5月は4勝1敗と3つの勝ち越し。24日の阪神戦では、1936年の沢村栄治以来となる、甲子園球場での巨人投手によるノーヒットノ―ランも達成している。
そして6月28日の広島戦を終えた時点でのスタッツは、ほぼ軒並み昨年を上回る数字となっている。
防御率は昨年の2.38から1点台に突入して1.98。走者を出さない総合力の指標となるWHIPも昨年の1・06から0点台の0・85へと進化している。
その他の指標も被打率は昨年の2割2分5厘から1割7分8厘まで下がり、奪三振率は7.46から7.81へとアップ。制球力の目安と言われるK/BBも3.62から3.77へと上昇している。あえて言うなら与四球率が昨年の5.8%からわずかに0.2%悪くなって6.0%となったくらいで、ほぼ全てのスタッツが昨年を上回る数字を示しているのである。
結果として今季、ここまでの14先発で6回以上を3自責点以内に抑えたQS(クオリティースタート)は11回。そのうち9回が7回以上を2自責点以内に抑えたハイQSという内容だ。最短でマウンドを降りたのは5回で降板した2試合だけで、最多失点も4月12日の広島戦での4失点。あとの試合はすべて3失点以内で相手打線を封じ込んでいるのである。