【MotoGP】アプリリア、ベッツェッキ獲得の判断に今年の成績不振は無視? 「今年は真の姿ではない」とリボラCEO

AI要約

アプリリアは2025年にマルコ・ベッツェッキを新ライダーとして獲得した理由を発表。選考の際には成績よりも国籍が重視された。

ベッツェッキの成績が今季振るわなかったことについてCEOがコメント。昨年のポテンシャルに期待し、真の才能を信じての獲得だと語る。

リボラCEOはベッツェッキの特徴や才能を評価し、アプリリアへの適応にも自信を示す。外的要因もパフォーマンスに影響すると述べている。

【MotoGP】アプリリア、ベッツェッキ獲得の判断に今年の成績不振は無視? 「今年は真の姿ではない」とリボラCEO

 6月24日、アプリリアは2025年のライダーとしてマルコ・ベッツェッキ(現VR46)と複数年契約を結んだことを発表した。このライダー選択において、アプリリアは今年の成績はあまり重視していなかったという。

 アプリリアはアレイシ・エスパルガロが今年で引退を決め、その後任にはホルヘ・マルティンを獲得。そしてマーベリック・ビニャーレスもテック3KTMへ移籍を決めたため、さらにもうひとりライダーが必要になっていたが、ベッツェッキが選ばれた。

 イタリアンメーカーであることもあり、アプリリアはイタリア人ライダーを起用する意向自体は隠していなかった。先日テック3入りが発表されたエネア・バスティアニーニも候補だったと言われている。

 ベッツェッキの獲得は国籍の点ではアプリリアの希望にかなうものだ。一方で成績面で言うと、ベッツェッキはドゥカティの1年落ちとはいえ強力なマシンを使いながら、今シーズン表彰台がまだ1回にとどまっている。彼いわくこれは2022年型と2023年型の特性の違いが関係しているというが、同時期に既に2勝をあげていた2023年と比べると今の成績は見劣りしてしまう。

 しかしアプリリアのマッシモ・リボラCEOは、今シーズンのベッツェッキの成績は、彼の真のポテンシャルを反映したものではないという考えで獲得を進めたようだ。

 2024年のベッツェッキの成績について少し心配だったのではないかという質問に、リボラCEOは「ああ、それは本当だし良い指摘だ」と答えた。

「ライダーはある年に良い成績を残して、その後の年に同じようにスタートできないと、才能が足りていないのか、それとも必ずしも技術的な部分ではない他の問題から来るものがあるのかと、疑問に思うようになる」

「そして私のフィーリングでは、真のベズ(ベッツェッキ)は昨年の彼であり、今年の彼ではないんだ。今シーズンは、我々にとって良い結果を得るためにも“フェイク”のままでいて欲しいと思う」

「彼のスピード、そしてあふれる才能を私は信頼している。彼はラテン系っぽいところもあるようだが、我々には慣れたものだ。アレイシもそうだったし、ホルヘもそのひとりだ。アプリリア・レーシングのガレージ内にかなりやる気を起こさせるだろうし、それが楽しみだ」

 リボラCEOはベッツェッキについて昨年初優勝を記録したアルゼンチンGPで見せた、ウエットでの強さを印象的な特徴に挙げている。そして、インドGPでの圧勝も才能の証拠だと指摘し、アプリリアへの適応に不安はないとした。

「私にとってかなり印象的だった特徴もいくつかある。ウエットでのライディングはそのひとつだ。そして皆にとって初めてだったコース(インドGP)で、彼は大きなギャップを広げて勝利している」

「つまり、何か特別な才能の持ち主である兆候が見えたんだ。今年、たとえばマルク・マルケスを例にしても、彼は(ベッツェッキと)同じバイクに乗っていて常にトップを争っていることから、(ベッツェッキについて)良いパフォーマンスを発揮していないと主張することもできるだろう」

「パフォーマンスを左右するのは、技術的な要因だけではなく、外的な要因もときにはあると思う。そして難しい面も良い面も、揃える要素のひとつだ」

「例えばアメリカズGPでのマーベリックはその一例だろう。私は彼が世界チャンピオンになれると期待していた。ただ残念だが、要素を常に揃えられるわけではない。だからこそ、そのための方法を見つける必要がある」