【体操】橋本大輝ら初有観客で“声援対策”「パリはうるさくなるんじゃないかと」強化本部長

AI要約

パリ五輪の体操男子代表が声援対策を公開。パリ五輪での熱狂的な応援に対応するため、試技会で特別な音声を流す取り組みを行う。

選手たちは仮想空間を想定し練習に取り組み、大舞台へのイメージを高める。無観客の東京五輪であるため、パリでの熱狂的な雰囲気に対応する準備を進める。

内村航平も歓声を勝負の鍵とし、パリ五輪の熱狂的な雰囲気に対応する準備を行う。競技としては珍しいほどの歓声が期待されるため、選手たちは影響されずにパフォーマンスを発揮できるかに注目する。

 パリ五輪の体操男子代表が2日、都内での試技会を公開し、“声援対策”への取り組みをみせた。練習拠点のスピーカーから流れていたのは、途切れることがないにぎやかな音声。時折拍手や外国人と思われる大きな声が混じり、アナウンスも聞こえる。水鳥寿思強化本部長は「(体操の試合では)パリが一番歓声や演出がすごい。だから、パリはきっとうるさくなるんじゃないかという話があって」と狙いを説いた。

 リバプールで開催された22年世界選手権に、昨秋のパリでの国際大会で録った会場音声を掛け合わせ、仮想空間をつくりだした。6種目の演技を続ける選手たちが集中する中で、常に耳にはその音が届く。東京五輪は無観客で、五輪2度目の出場となるエース橋本大輝、萱和磨、谷川航(ともにセントラルスポーツ)も有観客は初。しかも今回は、世界で最も熱烈な応援が待っている。そんな大舞台へ、イメージをふくらませた。

 この日は杉野正尭(徳洲会)があん馬と鉄棒で落下。水鳥強化本部長は「こういう雰囲気でやる中で空回ったかな」と思案した。2大会ぶりの金メダルに挑む団体総合、個人種目も環境は同じ。試技会のチーム総得点は258・85点で「(仕上がりは)7割くらい」とした。音響のボリュームを上げながら、調子も上げていく。【阿部健吾】

 ○…五輪2連覇の内村航平さんも、歓声を勝負の鍵の1つに挙げた。この日、パリ五輪を中継するNHKの「アスリートナビゲーター」を務めることを受けた取材会で、「体操はあまりうるさくしない競技ですが、パリはサッカーの会場かというくらい盛り上がる。これを言ったらだめかもですが、騒音に近い」と体験談を披露。世界選手権とは異なる空間が広がるため、「その中で影響されずにパフォーマンスを発揮できるかどうか」とにらんだ。