【月刊ラモス】ラモス瑠偉×木村和司(2)レジェンド2人の理想の10番像とは「意外性あってゲームを仕切る」「一発で局面変える」

AI要約

和司とラモスが日本サッカーの10番像について語る。

マラドーナやジーコといった選手について触れ、10番の象徴的な存在である選手について語る。

10番の選手はチームをけん引し、一瞬のプレーで局面を変える存在であるべきだとの意見。

【月刊ラモス】ラモス瑠偉×木村和司(2)レジェンド2人の理想の10番像とは「意外性あってゲームを仕切る」「一発で局面変える」

 日本サッカーリーグ、Jリーグ、そして日本代表で背番号10番を背負い、チームをけん引したラモス瑠偉編集長と木村和司さん。クリエーティブなプレーでファンを魅了した2人の描く「10番像」とは。

 ラモス 和司はチームがダメなときに、その状況を変えられる力がものすごかった。パスの出し方とか、ロングパスとか。あっち向いてホイのようにディフェンダーの裏をつく駆け引きが抜群。FK、CKは国際トップレベル…。日本代表も釜本さんがいなくなって、厳しい時代になったけど、和司が入ってから強くなった。和司がいなくなって日本代表が弱くなってしまった。和司たちの全日本は私たちのあこがれで、自分がまさか日本代表に選ばれるとは思っていなかったけど、和司が付けていた背番号10をもらって、その10番に恥をかかせないように一生懸命やった。

 和司 わしの中で10番というと、やっぱりジーコ(元ブラジル代表)とマラドーナ(元アルゼンチン代表)。特にマラドーナはすごかった。

 ラモス 監督がミーティングやって、これでいこうと決めてもうまくいかないときがある。そんなときにリズムを変える。ジーコはドリブルで仕掛けてファウルもらってFKをポンと入れる。そうすると相手はファウルできなくなって、チームメートに勇気を与える。ジーコとかマラドーナとかバッジョ(元イタリア代表)とかストイコビッチ(元ユーゴスラビア代表)とかプラティニ(元フランス代表)とか。マラドーナはまた別格だけど。それまで何もしなくても一瞬のプレーをパッとやる。調子が悪くてもワンプレーでゴールを決めたり、アシストして勝利をもたらす。あの時代、マラドーナはめちゃくちゃファウルされてた。それも10番の宿命。

 和司 ほんと、86年のメキシコW杯で韓国の選手がマラドーナを蹴りにいったろうが。こいつ、ひどいプレーだなと思った。

 ラモス 当時のマラドーナを止めるにはそれしかなかった。そうしないと止められなかった。ジーコの時代はもっと汚かった。それでもボールコントロールして、ドリブルしてた。みんなが削りに来る。和司もボールを預けたら何とかしてくれた。敵にすると怖い選手。だからみんながつぶしにいく。今の時代は選手を守ろうというルールになって、レフェリーも悪質なファウルを厳しく取るようになった。VARが導入されて、反則でつぶすなんてできなくなっている。監督それぞれの好みがあるけど、こだわることない。スタメンでフル出場して、意外性あって、ゲームを仕切る。それが私が理想とする10番。

 和司 そこまで頑張らんでもええけど、そいつがいて一発で局面変えるとかね。そういう選手を見たいじゃない。やっぱり10番の象徴的な選手のメッシ(アルゼンチン代表)はすごいなと思ったね。

 ラモス 27歳から30歳ごろの和司が、今の日本代表に入ったことを想像すると…。すごいチームになるなあ。速い選手にいいタイミングでボールが入る。質の高いカーブのクロス。コーナーキックや、フリーキックの場面を考えると…。最高だよ! 和司の活躍が思い浮かんじゃう。(企画協力・KAKU SPORTS OFFICE) =続く