エース格に急成長した19歳 学生柔道優勝の東海大、昨年の雪辱

AI要約

東海大が2年ぶりの全日本学生優勝大会で優勝し、新井道大が活躍した。

新井は決勝の副将戦で逆転の一本勝ちを決め、チームを勝利に導いた。

昨年の敗戦をきっかけに大きく成長し、エースとして活躍した新井が、チームの王座奪還に貢献した。

エース格に急成長した19歳 学生柔道優勝の東海大、昨年の雪辱

 ◇柔道 全日本学生優勝大会最終日(23日、東京・日本武道館)

 ◇男子決勝 ○東海大2―1天理大●

 東海大を2年ぶりの優勝に押し上げたのは、19歳の2年生だった。天理大との決勝。両校とも1点ずつ取り合って迎えた6人目の副将戦で、新井道大が畳に向かった。

 試合時間は4分。積極的に攻めにいった新井は序盤に大内刈りで技ありを奪うと、残り約1分のところでハイライトが訪れた。新井は抑え込みに来た天理大の神田雄志(4年)の体位を入れ替えて逆に抑え込んだ。横四方固めで合わせ技一本。勝利を確信し、応援席に向かって力強く拳を突き上げた。

 昨年は決勝で国士舘大に敗れて連覇を「6」で止められ、上水研一朗監督は「1回負けることの重さを思い知らされた」と振り返る。新井も昨年は3人目の五将を務め、引き分けに終わった。大会後の1週間は1年生にもかかわらず「決勝の舞台で戦っているのに点がとれなかった。負けは自分のせいだ」と敗戦を背負い込んだ。

 しかし、新井は1年で大きな成長を見せた。柔道での悔いは柔道で晴らすと心に決め、稽古(けいこ)と向き合った。体は一回り大きくなり、分厚い背中は成長の証し。投げ技にも磨きがかかった。世界大会でも結果を残し、2年生ながらチームのエース格に。頼もしい姿で王座奪還に導いた。【高橋広之】