【J2前半戦5トピックス総括】「4敗はすべてアウェイ」清水の想定外、降格枠「3」で早いタイミングでの監督交代が頻発(#1)

AI要約

J2リーグは6月15、16日の第20節から後半戦に突入する。前半戦を首位で折り返した清水エスパルスの攻撃力やアウェイゲームの苦戦、他チームの躍進と出遅れなどが見どころだ。

清水は北川航也の活躍で連勝を積み重ねてきたが、アウェイゲームでは未だ苦戦中。山形、横浜、山口といったチームに連敗し、得点力が発揮できていない。

対する千葉は攻撃力に自信を持ち、リーグ最多の39得点を記録。しかし、1点差での敗戦が多く安定感に欠けている。昨シーズンのような追い上げを狙う状況である。

【J2前半戦5トピックス総括】「4敗はすべてアウェイ」清水の想定外、降格枠「3」で早いタイミングでの監督交代が頻発(#1)

 J2リーグは6月15、16日の第20節から後半戦に突入する。そこで、前半戦の戦いから5つのトピックスを選び、後半戦の見どころをお伝えしていく。(#1、トピックス1~3)

 前半戦を首位で折り返したのは、清水エスパルスだった。前半戦の19試合は14勝1分4敗で、勝点43を積み上げた。昇格の目安は試合数の2倍の勝点と言われており、ここまでは「想定内」といったところだろう。

 昨シーズンのチーム得点王MFカルリーニョス・ジュニオが、わずか1得点なのは「想定外」だっただろう。MF乾貴士も4月下旬から3週間ほど離脱した。それでも9節から7連勝を達成したのは、FW北川航也が得点ランク2位タイの9ゴールを記録しているからだ。

 前半戦の「想定外」はもうひとつある。アウェイゲームの勝率だ。4敗はすべて敵地で喫したものなのである。負けたのは2位のV・ファーレン長崎、3位の横浜FC、5位のレノファ山口FC、それに14位のモンテディオ山形だ。16節の横浜戦は17分、18節の山口戦は14分に先制され、序盤のビハインドがそのまま敗戦につながっている。

 攻撃力に自信を持つ清水は、追いかける展開でも慌てない。自分たちのペースで試合を運んでいくが、山形戦、横浜戦、山口戦は無得点に終わっている。

 秋葉監督はアウェイゲームの戦いについて、「色々なアイディアはある」と話す。失点後の数分間はハイパワーで挽回をはかる、などの対策が求められるだろう。

 昨シーズン20位で残留した山口が5位、同18位のいわきFCが8位、J3から復帰した愛媛FCが10位と、前半戦は前評判が高くなかったチームの躍進が目についた。一方で、昨シーズン5位の山形が14位と出遅れ、同6位のジェフユナイテッド千葉は7位で折り返した。

 小林慶行監督が就任2年目を迎えている千葉は、リーグ最多の39ゴールを叩き出している。8節の栃木SC戦でJ2クラブ最多の8得点を記録し(8対0)、16節の愛媛戦でも7対1で大勝するなど、攻撃力を爆発させた。一方で、7敗のうち5敗が1点差負けで、そのうち3試合は無得点と、得点力に波があった。

 不安定な戦いぶりこそは、勝点を伸ばしきれなかった要因である。とはいえ、首位の清水とは勝点13差、2位の長崎とは勝点9差だ(長崎は消化試合数がひとつ少ないが)。首位と勝点22差の17位で折り返した昨シーズンに比べれば、J1自動昇格圏は近い。

 その昨シーズンは、後半戦だけで勝点43を稼いだ。猛烈な追い上げでJ1昇格プレーオフ圏へ滑り込んだ再現はなるのか。4勝2分4敗の五分に終わったアウェイの勝率をあげることが、ひとつのポイントになりそうだ。