小さめグリーンもクセ少なめ 勝利の”カギ”はショートゲーム【大西翔太のSHOWTIME】

AI要約

今週の国内女子ツアーは、第16戦が行われる。五輪代表争いや第1回リランキングが注目される中、小さなグリーンとショートゲームの重要性が強調されている。

優勝候補として、山下美夢有、鈴木愛、小祝さくらが挙げられており、特に山下のパター技術が高く評価されている。

今大会終了後も、リランキングや出場権争いに注目が集まる中盤戦が続く。

小さめグリーンもクセ少なめ 勝利の”カギ”はショートゲーム【大西翔太のSHOWTIME】

<ニチレイレディス 事前情報◇13日◇袖ヶ浦カンツリークラブ・新袖コース(千葉県)◇6584ヤード・パー72>

今週の国内女子ツアーは、第16戦が行われる。3日間競技ながら五輪代表争いの動向や、中盤戦の出場権を左右する第1回リランキングが行われるなど見どころが十分だ。その戦いを制するのは? 青木瀬令奈のコーチ兼キャディを務める大西翔太氏が展望を語る。

■ツアーで一番小さいグリーンも優勝は二桁アンダー?

コースの特徴を聞くと開口一番に「グリーンは今年で一番小さい」と答えた大西氏。「横幅は20、縦は15メートルしかないところが多い」とその小ささを教えてくれた。またグリーンは硬く、高さでボールを止められる「カットボールを打てる選手じゃないと難しいのかな」と話す。

さらに「とにかく傾斜は強くないので基本は受けてない。なので奥からも正直それほど難しくはないので、寄せる技術がないとスコアにはなりません」と”寄せワン”は必須。ということで、ショートゲームを得意とする選手が必然的に上位に来るのではないかと予想している。

ただ、近年は小さなグリーンをよそに伸ばし合いの様相を呈している。2018年から連覇を果たした鈴木愛のスコアを見るとともにトータル9アンダーと、決して伸ばしあいにはならない大会だった。しかし近年は22年の西村優菜、昨年の山下美夢有がともにトータル17アンダーまで伸ばし勝利を飾っている。

昨年は雨の影響もありグリーンも軟らかくスピードも出ていないかった。今年も「サロンパスの茨城ゴルフ倶楽部くらい硬くなる時があるんですが、それに比べたら軟らかいです」と昨年ほどではないが軟らかめ。さらに最終日は雨予報もでており、グリーンサイズを気にせずピンを狙い、乗せてしまえばバーディチャンスという状況が生まれる可能性が高い。そのため「いつもは1桁で優勝もあると思いますが、グリーンが軟らかくなっているので、11から12アンダーぐらいが優勝かなと思います」と見積もった。

■優勝候補はショートゲーム好調なこの3人

ツアーで一番小さいグリーンでは「アプローチに自信がない時点で戦えません。ショートゲームが得意な選手が必然と上位に来ると思っています」と前提条件を踏まえた上で、ディフェンディチャンピオンの山下、鈴木、そして小祝さくらの3名を優勝候補に挙げる。

特に山下に関しては「ピンが右でも左でもうまい。バッティングの状態もいいです。パターとアプローチの状態がいい選手は絶対上位に来ると思います。このグリーンは芝目がないんです。とにかく、ちゃんと狙えたら、狙えた分だけしっかりとそのご褒美が来ます。クセもないので、そういうことを考えると、山下選手は本当にパター技術が高い選手ですから」と本命に挙げる。さらに「オリンピックが頭の片隅にあると思うんですが、ものにできる力は十分にあります」とも述べる。

「鈴木選手は今季、2連勝していますが、またどこかで2連勝するんじゃないかぐらいの勢いがあります」。また「宮里藍サントリーレディス」の初日に「63」のビッグスコアを出した小祝に対しては「爆発的なスコアはパターとアプローチが良くないと出ない」と大西氏から見てもそのグリーン周りは目を見張るものがあるようだ。

今大会終了後は、非シード選手を対象に年2回行われる『リランキング』の第1回目が実施されるが、「リランキングでギリギリな選手にも注目してもらいたい。上位に行ったらそういう選手たちを応援してあげてほしいですね」。中盤戦以降の出場権を懸けた戦いからも目が離せない。

解説・大西翔太(おおにし・しょうた)/1992年6月20日生まれ。名門・水城高校ゴルフ部出身。2015年より青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める。16年にはキャディを務める傍らPGAティーチングプロ会員の資格を取得した。ゴルフをメジャースポーツにと日夜情熱を燃やしている。21年には澁澤莉絵留ともコーチ契約を結んだ。プロゴルファーの大西葵は実の妹。YouTube『大西翔太GOLF TV』も好評で、著書『軽く振ってきれいに飛ばす!! 飛距離アップの正解』が発売中。