浦和南、埼玉栄に4-1快勝!準々決勝へ

AI要約

令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)埼玉予選第3日の試合結果について

浦和南が埼玉栄を4-1で破り準々決勝に進出

美島、森田、坂本がゴールを挙げて勝利に貢献

浦和南、埼玉栄に4-1快勝!準々決勝へ

 令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)埼玉予選第3日は6月8日、プレミアリーグEASTの昌平とプリンリーグ関東2部の西武台、関東高校大会県予選を制した正智深谷と同準優勝の東京成徳大深谷が登場。3回戦8試合が行われ、ベスト8が決まった。

 昨年のインターハイ予選準優勝の浦和南は、関東高校大会予選ベスト8の埼玉栄に4-1で快勝し、6月9日の準々決勝で西武台と顔を合わせることになった。

 前半は両チームとも、決定的なゴールチャンスをほぼつくれずに終わった。シュート数は極めて少なく、ゴール前の攻防と見せ場はほとんどなかった。

 浦和南は左MF日高大佑、右MF芦川治奏(ともに3年)の両サイドにボールを集め、外からの進出を狙った。1トップの長身エース掛谷羽空(3年)への長いキックも多用したが、思ったように懐に収まらず、分厚い2次攻撃に展開できなかった。いくらか得点の可能性を感じさせたのが、左SB美島薫(3年)の蹴った右CKをニアで合わせたCB坂本勇希(3年)のヘディングシュートくらいだった。

 昨季のレギュラーを6人抱える埼玉栄は、アンカー嶋家礼人(3年)を経由して短いパスを通わせた。2列目のMF伊藤潤(2年)や落合理琥、小谷野珠羽の両FW(ともに3年)らが軸となって攻撃を組み立てた。しかし相手の厳しい圧力と激しい応対に遭い、敵陣深くへの進入は容易ではなかった。

 前半から相手陣営で試合を進める時間の長かった浦和南は、後半に入ってもボールを握る回数が多く、坂本が左右から投じるロングスローも相手の脅威になった。そんな流れの中から先制点は生まれた。

 17分の右CK。美島の蹴ったボールは相手にクリアされたが、日高がこぼれ球を拾ってシュート。再びこぼれ球になったが、坂本が押し込んで先制。「自分の足元に転がってくるんじゃないかと予想していたら、本当にきました。相手の選手が前に3人くらいいたけど、思いっ切り打ちました」と解説した。

 32分には美島が芦川の右クロスを左足ボレーで蹴り込み、その3分後にも坂本のヘディングシュートが左ポストに当たり、後半途中から出場したMF沼尻爽汰(2年)が跳ね返ったボールを押し込んで3点目を奪い、試合の大勢を決した。

 39分に失点したが、アディショナルタイムに加点。美島の蹴った右CKのボールを2年生アンカーの森田開成が右足ダイレクトで見事に合わせ、駄目押し点を挙げた。

 埼玉栄は後半も、相手の守備網を切り裂くパスやドリブルを使えず、39分に相手DFのパスミスをさらったMF石田匠(2年)のパスから落合が決めて1点を返すのが精いっぱいだった。中断前最後のS2リーグでも浦和南セカンドに1-3で敗れたが、雪辱はならなかった。

 浦和南の老練、野崎正治監督はいつものように勝っても表情はさえず、選手を褒めることもなかった。

 「先制されていたら、どうなるか分からないほどひどい前半だった。緊張していたんだと思いますよ。後半はキーになっていた相手の攻撃の選手を抑えるよう指示して送り出しました。4点取っても、あの失点はいただけない。きっちりゼロで終わらせないとねえ」

 こんなあんばいだったが、ともかく一発勝負は勝利優先だけに安どの色もにじませた。

 SBながら、川越東との初戦の2回戦に続いて2試合連続ゴールをものにしたのが美島だ。初戦は右CKをニアポストに左足で直接決めたそうで、「キックには自信があります」と言ったが、「今日は2試合目なのに緊張してしまった。後半はたくさん走ってリズムを取り戻しました。80点の出来です」と自己採点する。

 同じく2戦連発の森田が「次も勝てるようにゴールを取りたい」と言えば、坂本は「明日は西武台が相手なので、競り合いと運動量とセットプレーを生かして勝ちたい」と5大会ぶりインターハイ出場への第一関門へ、意気込みを示した。              

       

(文・写真=河野正)