【広島の無失点勝利を支えた日本代表GK大迫敬介が得た自信と、対面する磐田GK川島永嗣から学んだこと(2)】川島永嗣のプレーから大迫敬介が感じ取ったもの

AI要約

サンフレチェ広島の勝利と共に、自信を取り戻した大迫敬介は、ジュビロ磐田戦で川島永嗣の存在感を感じ取りながらプレーした。

川島のビッグセーブや広島の粘り強い守備によって、広島が2-0で勝利を収めた試合で、大迫は経験を積むことができたとコメントした。

大迫は代表でのプレーにも意欲を燃やし、持ち前の粘り強さを活かして自身の色を出すことを目指している。

【広島の無失点勝利を支えた日本代表GK大迫敬介が得た自信と、対面する磐田GK川島永嗣から学んだこと(2)】川島永嗣のプレーから大迫敬介が感じ取ったもの

 サンフレッチェ広島の勝利と共に、自信を取り戻した大迫敬介にとって、もう一つ、ジュビロ磐田戦は価値のある試合となった。それは対面する川島永嗣から感じ取った存在感だ。結果的に磐田は2-0で広島に敗れたが、川島は何度も広島のアタッカー陣に壁として立ちはだかり、終盤まで同点、逆転の希望を繋いだ。

「反対側から見ていても、安定感というのをすごく感じましたし、やっぱり観ていても学ぶことが多かったです。僕も今回、代表に選んでいただいて、自分自身も日本代表としてのプレーを出したいと思っていたので。そういう意味では観ている人も楽しんでもらえるやり合いができた」

 その川島が、この試合で見せた大きな仕事の1つが、1-0で迎えた後半の立ち上がりのビッグセーブだった。大迫のロングキックをシャドーのFW大橋祐紀がヘッドで前に流し、ピエロス・ソティリウから絶妙なラストパスを受けた東俊希がゴール左から左足で狙うが、川島が鋭く距離を詰めて、右足で弾き出したのだ。

 これで一度は磐田に流れが傾きかけたが、広島は粘り強い守備で耐えて、また自分たちのリズムに引き込んだところから、ソティリウによる待望の追加点が生まれた。厳しいところをビッグセーブで1つ耐えて、チームに流れを呼び込むというのは4度のW杯を経験してきた川島がモットーとしてきた仕事の1つだ。

 大迫は「そうですね。ここ数試合、早い時間で2失点して、難しくしまうようなゲームが多かったので。先に点を取られこともあると思いますけど、そこでメンタル的には崩れずに、自分が我慢することで、勝点3を拾う確率が上がるので。永嗣のように、先に失点しても崩れないようなところはすごく今日、自分も学べた」と語る。

 現在24歳の大迫が、そうした川島の領域にたどり着くのはまだ先のことかもしれないが、それでも日本代表のGKとしての自負もある。6月の代表シリーズに向けて、大迫は「いつも通りの自分を出すだけだと思いますし、チームのやり方と代表のやり方はまた違いますけど、自分の色というものをピッチでしっかりと出して、日本代表の力になりたい」と意気込む。そして代表での貴重な経験を改めて、愛する所属クラブに還元することを心に誓った。

「ここ数試合、自分が自分らしいプレーができていれば、間違いなく自分たちは上にいると思うので。そういう意味では、自分がチームに本当に迷惑かけたと思っているので。今日は少しチーム貢献できたと思いますし、自分は代表で1回離れますけど、また新しく刺激をもらって、さらに成長するきっかけになって、迷惑をかけた分、また還元していければと思います」

(取材・文/河治良幸)