鹿島、鮮やかな連係から濃野が今季5点目…「チームとしての形が見えたゴール」

AI要約

首位の町田が新潟に敗れ、2位の鹿島が連勝を4に伸ばす。鹿島の右サイドバック濃野の得点力が光る。

鈴木選手と濃野選手の連携からのゴールで鹿島が勝ち越し点を奪う。チーム全体の形や攻撃の流れが見えるゴールだった。

神戸は井出選手のゴールで先制するものの、後半押し込まれて追いつかれる。町田は連勝ストップで自慢の守備が機能せず厳しい試合となった。

 J1リーグは1日、第17節の6試合が行われ、首位の町田が新潟に敗れ、横浜Mに逆転勝ちした鹿島が連勝を4に伸ばした。鹿島は勝ち点で町田と並び、得失点差で2位。G大阪は湘南を下して3位に浮上。広島は磐田に快勝し、神戸と浦和は引き分けた。

 右サイドバックの得点力という武器を、鹿島が鮮やかな連係から繰り出した。

 同点で迎えた74分。自陣左サイドでボールをキープしたFW鈴木が相手2人をかわしてパスし、MF知念がドリブルで攻め上がる。その前方で、MF名古が相手DFを引きつけながら右サイドからゴール正面に走り込むと、右サイドに大きなスペースが生まれた。そこにDF濃野が攻め上がり、知念からのパスを受け、右足で勝ち越し点を奪った。

 「チームとしての形が見えたゴール。左でタメを作り、右に流していくのが鹿島のやり方」と濃野。関学大から今季加入したばかりの22歳は早くも今季5点目だ。決定力の高さも光るが、献身的な仲間の動きもあってゴールを量産している。

 鹿島は2016年以来、優勝から遠ざかっているが、今季は優勝争いの主役になりそうな力強さがある。その中心にいるのは、57分に同点ゴールをねじ込んだ鈴木だ。今回の連勝が始まる直前、東京Vに3点差を追いつかれた試合が転機になったかと問われると、28歳のチームリーダーは「『あれが良い教訓になった』とは優勝した後に言えること」と答えた。その目は間違いなく、8年ぶりの頂点を見据えている。(塩見要次郎)

 神戸はMF井出の今季初ゴールで先制したものの、後半は押し込まれる展開が続き、追いつかれた。「1点取った後、チーム全体として引いてしまい、前に行くパワーを失ってしまった」とFW大迫。これで4連勝の後、3試合勝ち星なし。GK前川は「勝って連敗を止めたかったが、負けなかったのは唯一の救い。ここから積み上げたい」と前を向いた。

 町田は7試合ぶりの黒星を喫し、連勝も3でストップ。U―23(23歳以下)日本代表のFW藤尾が得点を奪ったものの、今季最多の3失点と自慢の堅守が機能せず、黒田監督は「集中力が切れているような状態が、前半すごく多く見られた。1点取ってピリッとするかなと思ったが、ギアチェンジがうまくいかなかった」と厳しかった。