「パソコンではなく患者の顔を見て」誤診され16歳死亡、遺族の悲痛

AI要約

男子高校生が誤診で命を落とし、家族が病院に対してメッセージを送った出来事。

病院の誤診により生徒が連日の受診後に死亡し、家族が悲痛な思いを訴えた。

家族は医療現場に対し、患者の声をよく聞くよう訴え、16歳の未来を奪われたことを忘れないように求めた。

「パソコンではなく患者の顔を見て」誤診され16歳死亡、遺族の悲痛

 パソコンではなく、患者の顔を見て――。日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院(名古屋市)で昨年6月、男子高校生(当時16)が誤診で死亡した。病院は17日の記者会見で、家族から医療現場へあてたメッセージを、読み上げた。

 生徒は昨年5月28日、急な腹痛や嘔吐(おうと)などで、病院の救急外来を半日の間に2度、受診。病院によると、十二指腸が狭まって胃が拡張し、脱水症状があった。だが、研修医2人は一般的な急性胃腸炎と誤診し、整腸剤などを処方して帰宅させた。帰宅後に2度の電話相談があったが、「経過観察」とした。

 病院から言われて生徒が受診したクリニックは「緊急対応が必要だ」と病院への紹介状を書いたが、病院側は翌29日も検査に時間を費やし、緊急でやるべき胃の拡張を改善させる治療をしなかった。男子生徒は同日夕の入院後、脱水が悪化。意識障害も起き、ショックに陥って死亡した。

 「何度も助けられる機会はあったのに見過ごされてしまいました」

 家族は、悲痛な思いをつづった。

 「目の前で苦しんでいる人の声をもっとしっかり聞いてください。パソコンばかり見るのではなく、目の前の患者の苦しそうな、つらそうな顔をしっかり見てください」

 「まだ16歳の男の子の人生を突然終わらせてしまったこと、夢見ていた未来を奪ってしまったこと、決して忘れないでください」