「劇症型溶連菌感染症」初の1千人超え 高い致死率、流行止まらず

AI要約

今年1月からの溶連菌感染症の患者数が過去最多の1千人を超える状況であり、昨年を上回る感染拡大が続いている。

劇症型溶連菌感染症は手や足の壊死など重篤な症状を引き起こし、致死率が極めて高い。急速に進行し、数十時間で死に至ることもある。

溶連菌は冬から初夏にかけて流行し、A群は主に子どもに咽頭炎を引き起こす。しかし、体内に侵入すると劇症型感染症を引き起こす可能性がある。

「劇症型溶連菌感染症」初の1千人超え 高い致死率、流行止まらず

 手や足の壊死(えし)などを引き起こし、致死率の高い「劇症型溶血性レンサ球菌(溶連菌)感染症」の患者数が今年1月からの累計で1千人を超えた。統計のある1999年以降で過去最多だった昨年を上回り、感染拡大が止まらない状況だ。海外から流入した変異株の影響などが指摘されている。

 国立感染症研究所(感染研)が今月18日に公表した速報値によると、9日までの今年の感染者数は1019人。わずか半年で、昨年の941人を上回った。

 原因となる溶連菌にはA群、B群など複数の種類がある。A群は毎年冬と春から初夏にかけ、子どもを中心に流行する咽頭(いんとう)炎の原因になる。感染しても重症化はまれで、身近な病原菌として知られている。

 ただ、傷口などから菌が体内に入り込むと、急速に手や足が壊死したりしたり、多臓器不全になったりする劇症型溶連菌感染症を引き起こすことがある。発症から数十時間で死に至ることもあり、「人食いバクテリア」と呼ばれることもある。致死率は30~70%に達し、極めて高い。