サウナ充実で客呼び込め 北海道のホテル、宿泊プランや改修続々 全自動ロウリュ、水風呂に滝も

AI要約

道内のホテルがサウナを取り入れた宿泊プラン販売やサウナ改修に力を入れている。各ホテルは備品や部屋の工夫でサウナ愛好家にアピールし、客の増加に繋げている。

サウナブームを背景に、客室の改修を機に新しいプランを販売するホテルが増加。サウナ愛好家の推計人口も増加傾向にあり、競争が激化している。

サウナの人気に乗じ、各ホテルはオリジナルなサウナ体験や水風呂などの施設を導入。今後もサウナを重要な観光施設として位置付ける動きが続く見込み。

サウナ充実で客呼び込め 北海道のホテル、宿泊プランや改修続々 全自動ロウリュ、水風呂に滝も

 道内のホテルが、サウナを取り入れた宿泊プラン販売やサウナ改修に力を入れている。冷めないサウナブームを背景に、各ホテルは備品を工夫しサウナ後にくつろげる部屋や、観光名所の滝をイメージした水風呂などをPR。温泉や食事と並ぶ目玉として、宿泊や日帰り客の増加につなげる狙いで、ホテル間の競争は過熱気味だ。

 札幌市定山渓温泉の「ホテル鹿の湯」は、3月から「サウナー向け現代の湯治プラン」(1人1泊1万6千円~)を販売。「ごろ寝ソファ」と呼ばれるモーブル社製のソファベッドや、肌触りが良く乾きやすいサウナポンチョを用意した。備品にはリラックスできる香りのオイルもある。

 同プランは客室の改修を機に売り出した。札幌近郊の客が多く、想定以上の利用がある。金川浩幸社長は「サウナ好きは何回も入る。存分に余韻に浸って」と話す。

 サウナに関する調査を行う一般社団法人「日本サウナ総研」(千葉)によると、サウナ愛好家の推計人口は2023年で約1779万人。コロナ禍でサウナに行く頻度が減った21年より約200万人増えた。日本サウナ・スパ協会(東京)は「サウナの有無や充実度で行き先を選ぶ人もいる。ホテルは商品づくりに力を入れている」とする。

 胆振管内壮瞥町洞爺湖温泉の「洞爺サンパレスリゾート&スパ」は6月から7月末まで、オリジナルサウナハット付きの宿泊プラン(1人1泊1万2995円~)を販売する。中学生以上にはホテルのロゴ入りサウナハットを贈る。担当者は「サウナに関する問い合わせは増えている。洞爺湖を眺めながらサウナを楽しんで」と売り込む。

 サウナ改修の動きも盛んだ。函館市湯の川温泉の「花びしホテル」は3~4月にかけ、ドライサウナを全自動式の「オートロウリュサウナ」に変えた。同ホテルによると、同温泉で初のオートロウリュサウナという。改修後、朝の時間帯(午前6時~9時半)の営業を始めた。日帰り入浴客は昨年4月に比べ、今年4月は約2倍になった。

 上川管内上川町層雲峡温泉の「ホテル大雪」は1月下旬にサウナをリニューアル。石にひしゃくで水を掛けて蒸気を発生させる「セルフロウリュ」ができるようにした。

 また、同温泉の観光名所「銀河の滝」と「流星の滝」にちなみ、男女それぞれの水風呂に滝の仕掛けを導入。約2メートルの高さから流れる水を浴びることができる。大西稔総支配人は「サウナハットを被った愛好家が目立つようになった」と手応えを語る。