![](/img/media/664e973187eb4.jpg)
産休から「戻ってきていいんですか?」 コールセンターで働く女性の不安から生まれた会社をめぐる物語
沖縄生まれのスキンケアブランド「首里石鹸」は、コールセンター事業から生まれた異色の企業で、女性たちが活躍している。
コロナ禍でも売り上げを伸ばし、全国で25店舗以上を展開する「首里石鹸」。その起源は、2016年に立ち上げられた物販事業から始まった。
シングルマザーの崎浜有佐さんが朝礼を仕切るなど活躍する一方、従業員のおよそ9割が女性で、育児と仕事を両立する社員も多い。
![産休から「戻ってきていいんですか?」 コールセンターで働く女性の不安から生まれた会社をめぐる物語](/img/article/20240531/6659d56d21a23.jpg)
沖縄のお土産品に「石けん」があると言ったら、意外に思うかもしれない。さらにそれを作る会社が「もとはコールセンターの企業」だと知ったら、さらに驚くだろう。沖縄生まれのスキンケアブランド「首里石鹸」。ここで働く人の9割は女性だ。
今回RBCは、コールセンター事業から「カラフルな石鹸」を生み出すまったく別の事業に進出した企業で働く女性たちの姿を追ったー
■コールセンターからスタートした異色の企業
▽買い物客
「人に勧めたくなる。香りがまず良いので」
沖縄生まれのスキンケアブランド「首里石鹸」。月桃やシークワーサーなど沖縄由来の原料を使ったカラフルな石鹸が魅力のひとつだ。
▽首里石鹸を製造する男性
「手作りにこだわっているので、機械化する気は毛頭ないんですよ」
コロナ禍でも売り上げを伸ばし、今では全国で25店舗以上を展開する「首里石鹸」。その起源は…
「お電話ありがとうございます」
コールセンターだ。那覇市首里にある「株式会社コーカス」は2011年、コールセンター事業からスタートし、2016年に物販事業として「首里石鹸」を立ち上げた。
カメラは、コールセンター部門に勤務する崎浜有佐さん(33)の出勤に同行した。この日は、次男の煉牙ちゃんを連れて出社。
ー結構朝はいつもバタバタですか?
▽崎浜有佐さん
「朝はもうバタバタです。いつも長男の小学校を回って、会社に行くので、時間計算しながら動いています」
■「戻ってきていいんですか?」「石けん事業」立ち上げにつながった一言
出社すると、崎浜さんが仕切って朝礼が始まった。
▽崎浜有佐さん
「きょう、2月の目標達成率、「ためになるをしたで賞」の表彰をしたいと思います」
盛り上げ上手でしっかり者の崎浜さん。入社後半年で責任者に抜擢され、これまで走り続けてきた。崎浜さんは、2人の子どもを育てるシングルマザーだ。
従業員のおよそ9割が女性のコーカス。崎浜さんのように出産を経て職場復帰する人も多く、仕事と育児に奮闘する崎浜さんは、社のユニークな制度に支えられていた。
「首里石鹸」誕生のきっかけは、かつて、ある従業員が産休に入る前、緒方社長に告げたひと言だった。
▽緒方教介社長(52)
「僕にポロっと「戻ってきていいんですか?」って言ったんですよ、それも産休入る1週間前くらいかな、それか数日前だったと思うんですけど―」