「JTB」など旅行大手4社に公正取引委員会が『排除措置命令』 新型コロナ感染者の移送業務の入札で談合か 公取委が新型コロナ関連業務で事業者に排除措置命令を出すのは全国初

AI要約

公正取引委員会が青森市の新型コロナ感染者の移送業務入札での談合に関し、JTBなど4社に排除措置命令を出した。

業務で青森市にも適切でない行為があったとして、再発防止を求めた。

公取委の審査局は、違反事案に厳正に対処する姿勢を示し、市にも再発防止策を要請している。

「JTB」など旅行大手4社に公正取引委員会が『排除措置命令』 新型コロナ感染者の移送業務の入札で談合か 公取委が新型コロナ関連業務で事業者に排除措置命令を出すのは全国初

青森市が発注した新型コロナ感染者の移送業務の入札で談合したとして、公正取引委員会は旅行大手「JTB」など4社に再発防止を求める排除措置命令を行いました。

また、入札の業務で青森市にも「適切とはいえない」行為があったとして、再発防止を求めました。

公正取引委員会によりますと、独占禁止法に違反し排除措置命令を受けたのは「JTB」、「東武トップツアーズ」、「名鉄観光サービス」、「日本旅行東北」の4社です。公取委が調査を始める前に自ら違反行為を報告した「近畿日本ツーリスト」は処分を免れています。

この5社は、青森市が2022年度に発注した新型コロナの感染者を車で療養先の宿泊施設などに移送する業務の指名競争入札で談合をくり返していました。

入札は5件で契約金額は総額約3200万円にのぼりますが、すべて「近畿日本ツーリスト」が受注して一部業務をほかの4社に委託していて、利益は5社でおおむね均等に分配したとされています。

公正取引委員会審査局 第二審査 小室尚彦審査長

「発注サイドや業界団体にも必要な対処を行っていくなど、入札談合事件などの独占禁止法違反事件について、厳正かつ的確に対処してまいります」

さらに、公取委は30日、青森市に対しても入札の業務が「適切とはいえない」と指摘しています。

これは、入札を行う前に青森市の担当者が、事業者側から業務を5社で共同実施したいと伝えられていたにも関わらず、青森市は競争入札を実施していたためです。

公取委は市の担当者が5社の談合を知り得ながらも、入札へ参加させたとして、30日午前、市に対して再発防止に向けた措置を講じるよう要請しました。

青森市保健部 加福拓志次長

「問題があると認識して、公正取引委員会の要請を真摯に受け止めて、改善していく。そのために、関係部局と(今回の件を)共有して進めてまいりたい」

公取委が新型コロナの関連業務で、事業者に排除措置命令を出したのは全国で初めてです。